ブラックバイトの問題がWebを中心に様々なメディアで報じられています。厚生労働省が2015年11月に発表した「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果」でも、調査対象となった学生のうち、経験したアルバイト数のうち48.2%(人数ベースでは60.5%)で、労働条件等における何らかのトラブルがあったと回答したことが報告されています。
そんな日常的になりつつあるともいえる、ブラックなバイト先が言いがちなセリフに「バイトに有給なんてない」というものがあります。果たして法的な根拠はあるのでしょうか?
Q.アルバイトでも「有給休暇」が取れるって本当?
A.アルバイトであっても勤務日数に応じた有給休暇の権利が与えられます。
この回答の通り、アルバイトでも有給休暇はどんな職場であっても取得することができます。なぜなら有給休暇は会社の制度ではなく労働基準法で定められている労働者の基本的な権利だからです。
ただし、何日分の有給休暇が取得できるかは、その人の勤務日数によって異なります。アルバイトであってもフルタイム勤務であれば、入社半年後に10日分の有給休暇が与えられますが、例えば週3日しか勤務していないのであれば、与えられる日数は5日分になります。
また、有給休暇が与えられるためには1つだけ条件があります。それは「出勤日の8割以上はちゃんと出勤すること」です。つまり、決められたシフトを勝手な理由で休んでばかりいると、有給休暇が発生しないということもあるのでこの点だけは注意が必要です。
*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。
【画像】イメージです
*tomifusan / PIXTA(ピクスタ)
【関連記事】
*勘違いしがちな「残業代のルール」…年俸制だと残業代が出ないって本当?
*残業時間の上限は1カ月で45時間!?「36協定と長時間労働」の意外なカラクリ
*退職届と退職願、どちらを出すのが正解?法的に知っておきたい悔いのない会社の辞め方