A.就業規則等の労働契約に転勤命令のことが書いてあれば、企業が転勤命令を出す権利は基本的に認められます!
もっとも、勤務地を限定する等の転勤なしの条件について、企業と従業員との間で合意(明示・黙示)があれば、企業の転勤命令を出す権利もその合意の範囲内に限定されます。
よってクイズの答えは、転勤できないと述べて採用されたなど、転勤なしの条件について合意があれば、転勤の辞令を断ることができます。
【おまけ】最高裁の考え方を理解しておこう
今までの解説は、最高裁が出した法律判断(判例)の一部に基づいたものです。最後に、転勤命令に関する最高裁の考え方を簡単にまとめて終わります。
転勤命令を出す権利は、就業規則等の労働契約があれば基本的に許される。転勤命令を出す権利があっても、嫌がらせ目的、病気の家族を看病できなくなる等の権利を不適切に使うこと(権利の濫用)は許されない。
*著者:弁護士 鈴木謙太郎(1972年の設立以来40年以上の歴史がある、虎ノ門法律経済事務所の池袋支店で支店長を務める。注力分野は遺産相続、不動産取引、交通事故、債権回収、労働問題、債務整理、刑事事件、離婚等。「皆様の人生の一大事を共に解決するパートナーとして、真摯に業務に取り組んでまいります。」)
【画像】イメージです
*夢見る詩人 / PIXTA(ピクスタ)
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