子供がいる夫婦が離婚前に決めておかないと必ずトラブルになる5つのこと

■財産分与について

夫婦間に財産(不動産、預貯金、株券等)がある場合、スムーズに離婚をするためには、離婚後にその財産を夫婦間でどのように分けるのかを、離婚時に決めておく必要があります。

そして、財産の分与を受けるほうの配偶者としては、相手による財産分与の支払いが滞った場合に備えて、養育費と同様、公正証書を作成しておいたほうがよいでしょう。

なお、離婚後であっても、財産分与を請求することはできますが、財産分与請求権は離婚から2年で時効消滅してしまいますので、注意が必要となります。

 

■離婚後の氏(名字)について

夫婦が離婚をすると、結婚によって氏(名字)を変えた夫または妻は、法律上当然に、結婚前の氏に戻ります(「復氏」と言います)。

しかし、子の戸籍は当然には変更されず、従前の戸籍のままなので、子の氏は変更されません。そのため、子の氏と、親権者となって子の面倒をみている親の氏が異なる、といった不自然な事態が発生します。

上記のような事態を避けるためには、離婚後に、裁判所に対して、「子の氏の変更許可申立て」をする必要があります。

なお、離婚によって復氏をした夫または妻は、離婚した日から3か月以内に役所に届け出れば、婚姻時の氏を使用することができますので(「婚氏続称制度」と言います。)、この制度を利用することによっても、親権者と子の氏が異なるという事態を避けることができます。

 

*この記事は2014年8月に掲載されたものを再編集しています。

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

【画像】イメージです

*【Tig.】Tokyo image groups / PIXTA(ピクスタ)

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理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

東京都港区虎ノ門一丁目11番7号 第二文成ビル9階

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