■他に重視される要素は?
また、相手に対する離婚調停の申立ても、婚姻関係の破たんの有無を判断する際の考慮要素とはなりますが、直ちに破たんと認められるわけではないようです。離婚調停の申立てをするのは、本気で相手と離婚をしたいと思っている人ばかりではなく、調停をきっかけに夫婦生活をやり直したいと思っている人もいるためです。
さらに、家族旅行や行事を一緒に行っていたか、同じ寝室で寝ていたか、性交渉はあったのか等も破たんの有無を判断する際の考慮要素とされています。
以上のとおり、婚姻関係の破たんは、別居の有無、離婚調停申立ての有無、性交渉の有無等の客観的な事情によって判断されることになりますので、もう離婚するしかないなどと内心で一方的に思っているだけでは、婚姻関係が破たんしているとは認定されないということになります。
*この記事は2015年4月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)
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