住んでいるアパートから退去要求…ペット同居で部屋が傷だらけでも「立退料」請求は可能?

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②立退きを正当化する理由が弱いほど、立退料は高くなる

大家さんが賃貸借契約の更新を拒否したり、解約を申し入れたりするときには、“立退きを正当化する理由”が必要です(借地借家法6条,28条)。逆を言えば、“立退きを正当化する理由”がなければ、借りている人はアパートから出て行かなくてもよいのです。

では、この“立退きを正当化する理由”はどうやって判断するのでしょうか? まず、大家さんと住んでいる人それぞれが、アパートの使用を必要とする理由をメインに考えます。この使用を必要とする理由を補うものの1つとして立退料があります。

この説明を読まれた読者のみなさんの頭の中は、きっと今、「???」という状況でしょう。特に“立退きを正当化する理由”という法的な言い回しがよくわからないかと思います。では、具体的な例をあげて説明しましょう。

I:生まれてから60年間そのアパート(途中建替えあり)に住んできて、交友関係がそのアパート周辺に限られ周りに親しい友人が住んでいるような場合。

このような場合、住んでいる人にとってそのアパートに住むことが死活的に重要といえるので、いくら高額な立退料を払っても、立退きを正当化する理由が認められることは極めて困難でしょう。

Ⅱ:長年Aさんは借家で卓球クラブを営み、「オババ」と呼ばれるほど親しまれてきました。当該借家周辺の土地をB不動産が買い占めていたので、当該借家を取り壊して土地をB不動産に転売すれば高く売れると考えた大家のCさんは、Aさんに対して借家から出ていけと言いました。

この場合は、Aさんが借家を使う必要性が高く、Cさんが借家を使う必要性は低いため、立退きを正当化するためには高額な立退料が必要です。

Ⅲ:①で挙げた猫の事例のように、アパートを借りている人がそのアパートに住んでいないのに対して、大家さんが経済的に困窮して、そのアパートに住まざるを得なくなった場合。

このような場合,アパートを借りている人はアパートを使う必要性がほぼないのに対して、大家さんはそのアパートを使う必要が高いので、立退料を払うまでもなく立退きを正当化する理由は認められます。

 

③冒頭のケースで大家さんから「アパートを出ていけ」と言われたらどうしたらいいか

もうみなさんも答えがわかるのではないでしょうか? 猫の裁判例のようによほどひどい使い方をしていない限り、大家さんがいきなり賃貸借契約を解除することはできません。あとは、②のI~Ⅲの事例のどの事例に近いかによって、アパートを出て行かなくてもよい、高額な立退料をもらった上でアパートを出ていく、アパートから出ていかなければならないかが決まります。

 

■立退料問題は有利な証拠をいかに集めるかが大事

立退料の問題は、住んでいる人に有利な事実をどれだけ集めるかによって勝負がわかれます。弁護士鈴木謙太郎はⅡのような事例で高額な立退料を認めさせた実績がありますので、何かお困りのことがあれば当事務所にご相談ください。

 

*著者:弁護士 鈴木謙太郎(1972年の設立以来40年以上の歴史がある、虎ノ門法律経済事務所の池袋支店で支店長を務める。注力分野は遺産相続、不動産取引、交通事故、債権回収、労働問題、債務整理、刑事事件、離婚等。「皆様の人生の一大事を共に解決するパートナーとして、真摯に業務に取り組んでまいります。」)

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鈴木 謙太郎 すずきけんたろう 弁護士

虎ノ門法律経済事務所 池袋支店

東京都豊島区南池袋2-12-5 第6.7中野ビル7FB号室

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