スマートフォンの普及に伴ってインターネットの世界はますます身近なものとなってきました。手軽に様々なサイトにアクセスして多くの情報に触れられるといった恩恵を受けられる反面、悪意をもったプログラムによる被害やフィッシングサイトなどによる詐欺被害の危険性も高まっています。
とりわけ、いわゆる架空請求に関する問題は深刻さを増しており、その手口は巧妙さを増す一方。突然の請求メールを受け取って驚いたという経験をしたい人も多いのではないでしょうか?
そこで、架空請求が届いてしまった場合、どう対応すれば良いのか、ネットトラブルに詳しい法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士にお伺いしました。
*取材協力弁護士: 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
■Webサービスの請求は先払いがキホン
「まず前提として、インターネットは匿名性が高いため“後払い”という仕組みが成り立ちにくいものと捉えられます。そのため、Webで展開される有料のサービスは、先払いであったり、デポジット方式、クレジットカードでの支払いが必要など、支払いを確保できる方法が採用するのが一般的となっています。そのような対応を取らなければ、利用されるだけされて逃げられてしまう恐れがあるためです。
架空請求メールの圧倒的多数を占めるのは、出会い系やアダルトサイトですが、きちんとしたサービスを提供している出会い系サイトやアダルトサイトであっても、特に匿名性が高いこともあり、料金の後払い制を採用しているサイトは皆無と言えるでしょう。」(清水弁護士)
では実際に考えられる4つのケースを検証してみましょう。
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