会社が雇用保険に入っていなかった!失業手当をもらうことは可能なのか

失業してしまうと当然収入はなくなってしまいますが、雇用保険の適用を受けますので、一定額のお金を受け取ることができ当面の生活費を工面していくことはできます。

ですが、会社が雇用保険に加入していなかった場合、退職した労働者は雇用保険の適用を受けることはできるのでしょうか。また、実際に雇用保険の適用を受ける場合、手続きや期間の制約などはどのようになっているのでしょうか。

これらの疑問について、星野法律事務所の星野宏明弁護士に質問してみました。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

Q.会社が雇用保険に未加入の場合、社員が辞める際に失業手当を受け取ることは可能?

A.過去2年分に遡って雇用保険に加入することができるという救済制度があります。

労働者を雇用する事業は、若干の例外を除き、業種や規模等を問わず、すべて雇用保険の適用事業であり、当然に雇用保険の適用を受けます。つまり、雇用保険への加入は、事業所の義務であり、強制加入となっていますので、雇用保険に入らないことは法律違反となります。

それでも現実には、保険料が労使折半となることを嫌って、違法に雇用保険の加入を免れているケースが散見されます。加入対象であるのに、加入していなかった場合や、給与から労働者負担分の保険料は天引きしておきながら、加入していなかった悪質なケースもあるようです。

退職時、いざ雇用保険を受け取ろうとして、会社が雇用保険に加入していなかったことが判明した場合、過去2年分に遡って雇用保険に加入することができるという救済制度があります。また、平成22年10月1日から、雇用保険料が給与から天引きされていたことが明らかである場合は、2 年を超えて遡って雇用保険の加入手続きができるようになりました。

ただし、本来10年の加入期間分の基本手当(失業手当)を受け取れたのに、過去2年分相当の手当しか受給できない事態となると大変不利益です。不安な人は在職中から一度は自分で雇用保険の加入の有無を確認しておくとよいでしょう。

 

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