ストーカー被害だと感じた時、警察に動いてもらうために覚えておきたい対策法

動かない警察、昔からこの体質は変わりません。

桶川のストーカー殺人事件があった直後は、よく動いたように思いますが、一過性のものでした。むしろ、その頃は「こんなので動くの?」というようなものまで動いており、私がよく扱う離婚事件でも、難儀したことがありました。

しかし、現在ではなかなか動こうとしてくれません。それはなぜでしょうか?

※画像はイメージです:http://www.shutterstock.com/

 

■ストーカー事件で警察が動かない理由

警察が動かない理由としてよく言うのが、「管轄違い」「証拠がない」「事件性がない」つまり、「構成要件に当たらない」というのが常套文句です。これは、ストーカー事件でも同じことが言えます。

ストーカーを最初にされたのはどこか? 今ではなく、最初だ、なんてことを良くいいます。最初なんて意識していないのだから、分かるわけないだろうと思いますね。犯人がどこにいるのか、自宅がどこにあるのかは関係ない、最初にストーカーをされた地が管轄だというのが警察の言い分です。

これをクリアしたら、今度は証拠がないから立件できないと言います。証拠があったら苦労しません。そもそも怖いストーカーに戦いを挑むがごとく証拠集めをしろという方が酷な話だと思います。

ここをクリアしたら、今度は「本当につきまとい等にあたるのか疑問だ。」と言い始めます。まず、恋愛感情があったのか、単に好意を持たれているだけで、被害を被っていないのではないか、その程度では暴言や脅迫に当たらないのではないか、等々。

 

■何度も相談にいくことが大切

警察の体質として、いきなり被害を訴えても、まず拒否する理由を並べて最初から動こうとしません。ここをクリアするには、まずマメに相談に行くことです。ストーカーされているのかな、と気付いたら直ぐに駆け込んで「相談」に行くことです。

警察官も人の子、何度も被害者の顔を見ているうちに情が湧いてきます。

 

■その他の対策も重要

また、警察官だけでなく、身近な人にも直ぐに相談することです。メールなどで文章にして相談しておくと、証拠化するときに役立ちます。

そして、ストーカーを画像で押さえることがことができれば、警察は動きやすくなります。ですが危険を伴いますので、これはプロの探偵にお願いするのが一番だと思います。多少費用がかかっても、身を守るためです。

護身用としては、自宅の玄関にこれ見よがしに防犯カメラを付けるのが良いかと思います。もちろん、お金がなければ、ダミーでも構いません。犬を飼うのも良いかもしれません。

また、一人では歩かないようにする、常にスマホのスイッチを入れて持ち歩き、いつでも写真を撮れるようにしておく、時々意識的に振り返る動作をする、などの工夫をされて、自己防衛することも必要かと思います。

 

*この記事は2014年12月に掲載されたものを再編集しています。

*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)

【画像】イメージです

*connel / Shutterstock

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小野 智彦 おのともひこ

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