新型コロナウイルス感染症の影響で、日本国内のドラッグストアやコンビニからマスクが姿を消しました。
マスクをつければ感染しないというわけではありませんが、有効な対策の1つとなっていることは間違いないようです。また花粉症対策や医療の現場でも必須なものだけに、品薄状態に悲鳴が上がっています。
マスク不足で転売が横行
マスク不足で問題になっているのが、ここぞとばかりに転売する「転売ヤー」たちの存在です。品薄商品を買い占めたうえで法外な値段で販売する人物が跡を絶ちません。
例えば大手ネットショピングサイトを見ると、2020年2月には、マスク30枚が5000円から2万円程度で売られている有様。また1000円程度の値がついていたとしても、送料に1万円以上設定されていたりと、かなり悪質を言わざるを得ない値段設定がなされています。
このような行動は、国内外から批判が高まっていますが、未だに横行しています。転売を企てる人はもちろん、法外な値段での販売を黙認するオークションサイトにも、不満の声が向けられている状況です。
マスクに限らず、今後社会で1つの商品に需要が集中し、供給が追いつかない場合、同じことが発生する可能性は極めて高いと言えます。高額転売する人間やそれを黙認するオークションサイトは罪に問われないのでしょうか? 銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に話を伺いました。
犯罪ではないのか?
齋藤弁護士:「独占し、他人を妨害する意思がない限りは、ただちに犯罪になるとまでは思われません。オークションサイトの規約次第ですが、買い占め行為が不当なものと判断される余地はあるため、除名処分などを受けても争えない場合があります。とくに、ウイルスの蔓延している昨今の状況下にあっては、ある種の買い占めが、オークションサイト側の妨害行為に該当する余地はあるのではないでしょうか」
考える時期に来ている?
オークションサイトは便利な半面、悪用されることもかなり多く、その存在が物議を醸すことはしょっちゅうです。芸能人のサインを転売する人間や、なかには盗んだものを販売していたケースもあったと聞きます。
現在は性善説に立ち、オークションサイト運営者や利用者の良心に任されていますが、今回のマスクを見ても、不足していることをいいことに、数万円で販売するユーザーもおり、サイト側もそれを事実上黙認しています。
このままで本当にいいのか、考える時期に来ているのではないでしょうか。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律経済事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)