昨今はかなり裕福な大学生が増えたとも言われますが、苦労している学生も少なくないようです。
そんな学生たちの「頼みの綱」といえば、仕送りではないでしょうか。
また、昨今の高齢化社会のなかで、地元の親に稼いだ金を仕送りしている人もいることでしょう。
親子関係が希薄になっている社会のなかで、両者が心を通じ合わせる瞬間とも言えます。
仕送りに税金がかかる?
そんな仕送りですが、当然お金を親から子に、あるいは子から親に渡すことになります。お互いに納得してするわけですから、なんの問題もないはずです。
ところが親に仕送りをしてもらっているという大学生のAさんは、少々意地悪な友人のSさんから、「仕送りって税金がかかるものだよね。対策してないの?」と指摘を受けました。
「そんなはずはない」と答えたAさん。「ありえない」と釈然としないものを感じているそうです。
本当に仕送りに税金がかかるのでしょうか?
一体どのような名目なのかも気になります。
真相を銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士にお伺いしました。
弁護士の答えは…
齋藤弁護士:「実は、仕送りは贈与です。未成年者であれば(今度成人年齢が18歳になります)、法定代理人である親御さんからの贈与を受けている形になるのです。そうすると、贈与税の対象になりえます」
なんと贈与税の対象になりえるそうです。
「そこまで税を取るか?」という気もしてしまうのですが…。
現実的にそうなる以上、仕方がありませんね。
贈与税の対象になるのはどんなとき?
仕送りが贈与税の対象になることがわかりました。
そうなると、自分も税金を支払わねばならなくなるかも…と不安になっている人もいるのではないでしょうか。
贈与税の対象となるケースとならないケースについて、を銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士に聞いてみると…
齋藤弁護士:「1年間のうちに、110万円を超過しないのであれば、無税です。かかりません。
なお、共同親権に服していますので、父・母いずれからも贈与を受けた、受けている形になるので、110万円を超過しているのであれば、贈与税がかかってくることになりえます」
しっかり確認を
1年間で仕送りの総額が110万円を超えた場合は、贈与税の対象になるようです。
当然、無視すればそれなりの措置を受けることになります。
法律や税金に詳しい人にとっては「常識」ですが、知らない人も多いはず。
しっかり確認しておきましょう。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)