会社員の場合、休みの日でも携帯に電話が掛かってくることがあります。このようなことを見越して法人契約した「会社用携帯電話」を支給されているという人も多いことでしょう。
業務に使うのなら、料金を自分で支払う個人用携帯は使いたくないものですが、中小企業などでは個人の携帯に連絡し、場合によっては客先に電話するよう促されることもあると聞きます。
このような場合、当然電話代を会社に請求したいもの。しかし、なかには支払いを拒否するケースもあるようです。
個人携帯を業務でも使っている場合、会社に電話代を請求することはできないのでしょうか? ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士にお伺いしました。
Q.個人携帯で業務電話…料金を会社に請求することはできる?
A.業務用途であることが明確であれば可能です
森川弁護士:「論理的には請求可能ですよ。ただ、立証が困難ではあると思います。まず、業務内容の電話を使用したということ、そしてその通話時間、その場合の電話料金。これが明確にすることができれば、料金の請求は可能になると思われます。
現実的に見ると、『業務用に使った』ということが立証できるか否かがポイントとなると思われます」
「業務に使った」ということが明確になっている場合は、料金請求が可能になるようです。立証はなかなか難しいものと思われますが、現在携帯電話については各キャリアが通話明細を発行しています。
個人携帯を業務でも使用し、料金を自腹で支払っているという場合は、通話履歴を参考にしながら「業務用途」であることを明確にしたうえで、会社に相談してみてはいかがでしょうか。
※au通話明細サービス・通話明細分計サービス
https://www.au.com/support/faq/view.k1112054125/
※docomo料金明細サービス
https://www.nttdocomo.co.jp/charge/online/detail/
※softbank請求書・通話明細発行
https://www.softbank.jp/mobile/support/contact/general/billing_guide-issue/
*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)