12月の電車は、忘年会帰りの酔っぱらいによる喧嘩やホームから線路への転落、線路内人立ち入りなど、様々なトラブルが発生します。
さらに踏切付近でも酔った人間が線路内に立ち入り、列車の運行を妨げることも。いずれも人身事故に至る危険性があるうえ、運行ダイヤを大きく乱す迷惑行為。
このような行為に及んだ場合、鉄道営業法第37条によって、厳しく処分されます。
「停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス」(鉄道営業法第37条)
それは誰もが理解していると思われますが、同じ線路内立ち入りでも、新幹線となると、罪がかなり重くなるというのです。本当でしょうか?
Q.新幹線の線路内立ち入りは在来線より罪が重くなるって本当?
A.本当です。
新幹線は在来線よりもかなり速いスピードで走る鉄道であり、安全性を確保する必要性が高いことから、鉄道営業法では十分な安全確保体制が構築できないとして、昭和39年に「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法(新幹線特例法)」が施行されています。
したがって、同じ線路内立ち入りであっても、新幹線の場合は新幹線特例法第3条第2号が適用されます。
「次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
二 新幹線鉄道の線路内にみだりに立ち入つた者」
鉄道営業法では「十円以下の罰金」となっていますが、現在は2万円以下とされています(罰金等臨時措置法第2条第1項)。
一方で、新幹線特例法の場合は1年以下の懲役又は5万円以下の罰金とされており、鉄道営業法と比して、かなり厳しいものであることがわかります。
在来線、新幹線とも線路への立ち入りは危険かつ迷惑行為。絶対に行わないようにしてください。
*記事監修弁護士: 大達 一賢(エジソン法律事務所。第一東京弁護士会所属。「強い、やさしさ。」、「守る≒攻める」、「戦略&リーガル」の3つの思いを胸に、依頼者のために全力を尽くします)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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*ケイアール / PIXTA(ピクスタ)
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