『Twitter』や『Facebook』などのSNSでは、簡単な気持ちで投稿したものが思わぬ波紋を呼ぶことがあります。日本語は意味が何通りにも取れる言葉も多く、見解の相違が発生してしまいます。
なかには誹謗中傷をしている意図がないにもかかわらず、中傷と取られてしまい、トラブルに発展することもあるでしょう。そのため、企業や芸能事務所、スポーツ球団ではそのようなトラブルを未然に防ぐ意味で、従業員や契約タレント・選手にSNSの使用を制限することがあるようです。
「トラブルを防ぐため」という目的は理解できるのですが、企業がSNSを「やらせない」というのは、SNSを利用する権利を奪っているようにも思え、納得のいかないものを感じてしまいます。
一体企業や芸能事務所などが社員や所属タレントにSNSの利用を制限させることは許されるのか。法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士に、ご意見を伺いました。
■企業が社員にSNSの利用をストップ!こんなのってあり?
「従業員については就業規則等において、SNSを禁止する旨を定めること自体はできると思いますが、従業員には会社の業務に縛られない自由な時間が当然あるわけであり、その間の自由まで縛ることになるような規則は、争えば無効であるという判断を得ることはできると思われます。
もっとも、SNSに何でも好き勝手な投稿ができるかということとは別の問題であり、たとえば業務上のことなどを投稿すれば、秘密保持義務違反になるおそれがあります」(清水弁護士)
就業規則で禁止することはできるものの、時間外の自由な時間まで禁止とすることについては、争う余地があるようです。ただし、守秘義務を怠るような投稿については、秘密保持義務違反になるとのことです。
*取材協力弁護士:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
【画像】イメージです
*xiangtao / PIXTA(ピクスタ)
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