恐喝や脅迫被害に遭ったら誰に相談すべき?

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スマートフォンの普及により、ここ数年で皆さんの生活環境は全く新しいものに変わったかと思います。

気軽に知りたい情報を調べることができる、いつでもどこでもコミュニケーションを取ることができるなど、便利な世の中になりましたね。

一方で、利便性が高まった陰で新たなトラブルも多く発生しております。今回はそういった新しいトラブルのうち、恐喝と脅迫に絞って対応方法などを解説したいと思います。

 

■一般人から受ける恐喝や脅迫が大半を占めている

皆さんが想像する恐喝や脅迫というと、暴力団をはじめとする反社会的勢力といわれるような方々から受けるものというイメージではないでしょうか。

たしかに、そういった恐喝や脅迫もあるでしょうが、昨今相談を受けるケースは、スマートフォンが普及したことが一つの要員となって全くの一般人から受けるものがその大半を占めております。

例えば、“リベンジポルノ”です。不特定多数の人間が閲覧することのできるウェブサイトへの投稿をほのめかし、金銭や自己の要望を実現しようとするものや、単純に復讐目的者ものなど多くご相談を受けます。

また、いわゆる“美人局”をはじめとする出会い系サイトでのトラブルも多く見受けられます。

 

■警察へ相談で対処することは難しい

こういったトラブルの対処のため、皆さんが最初に思いつく方法には何がありますでしょうか。

おそらくほとんどの方は警察へ相談するという方法を挙げられるかと思います。もちろん、事態が悪化する前に予防的に警察へ被害相談をすることは必須といえます。

ですが、警察は恐喝や脅迫の明確な証拠がなければすぐには動いてくれません。その意味では警察に対処を期待することはハードルが高いといえるでしょう。

インターネットで検索をすると、恐喝や脅迫などのトラブルに対応するサービスを提供する調査会社(探偵)もいるようです。

たしかに警察へ対処を求めるよりハードルは低いと思われますが、調査を目的とする調査会社が一体どのような方法で恐喝や脅迫に対応するかいまいち不明確ですし、法的紛争への対応を有償で取り扱えば、いわゆる非弁行為として弁護士法に反することにもなるため、どこまでの対応が期待できるか疑問も残るところです。

 

■加害者と被害者の接点を無くすことが大事

弁護士による対応は、恐喝や脅迫をしてきている相手方に対し、電話や書面などにより代理人にしたことを通知し、本人への連絡(実家や職場など本人の関係先への連絡も含む)を控えるよう申し入れします。

恐喝や脅迫対応の最大のポイントは、“揺さぶりをかけてくる相手方との接点を解消すること”です。脅迫文言もこちらに届かなければ冷静に対処できるわけです。

具体的な準備では、相手方と接点を持つ際には、録音などによって証拠を保全し、訴訟や警察への相談の準備をします。

相手方が、弁護士の頭越しに本人や関係先に連絡を継続するようであれば、その都度警告をしながら、必要に応じて警察への介入も求めます。

相手方から何らかの要望があるとき、それが法的に妥当であれば、妥当な範囲で応じることを検討し、不当であれば拒否し続けます。

過去の経験でいえば、弁護士が介入した後には多くのケースで脅迫行為は止みます。暫くは弁護士宛に嫌がらせや荒唐無稽な主張が続くこともありますが、それも時間が解決します。

物理的に100%のブロックができる訳ではないため限界はありますが、少なくとも脅迫され続けて判断能力を奪われがちな状況からは解放され、冷静に状況を分析したうえで必要な対処ができます。

 

恐喝や脅迫に及んでくる人物は、とにかく弱みにつきこみながら、時間を区切り、焦らせて自分の要求を通そうとしてきます。冷静に対処すれば恐れる必要はありません。

お困りのときは、お気軽に弁護士にご相談ください。

 

*著者 弁護士:若井 亮(不動法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)

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