退職を間近に控えた人にとって有休消化して退職できるかどうかは大きな問題です。
お金の面だけでいえば、全て有休消化できれば働いても働かなくても(残業代などは別として)給与の額は同じだからです。
ただ、引き継ぎを終えることができず、有休消化が難しい場合、何か別の手立てはないものでしょうか?
Q.退職目前だけど有休消化が難しい……何か方法はある?
A.原則として有給の買取りは禁止されていますが、退職日目前で消化しきれない場合は会社と交渉すれば買い取ってもらえる場合があります。
そもそも有給休暇とは、仕事の合間に休むことで心身のリフレッシュを図る制度ですから、「有給分は買い取るから仕事してくれよ」と会社側から申し出るのは有給休暇の趣旨から外れてしまう行為といえます。
しかし、例外的に今回のケースのように退職日まで猶予がなく、また引き継ぎをしっかり行わないといけないためどうしても休めないという場合には、有給休暇の買取を会社に交渉することができます。
ただ、注意すべきなのは、会社にこの有給を買い取る「義務」はないので、買取を断られてしまう場合もあるという点です。
その場合は、次の会社との兼ね合いもありますが、有休消化が確実にできるように、当初の退職日を引き伸ばしてもらい、引継ぎ終了後に有休消化して退職、という方法もあります。
*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。
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