12月に年末賞与を貰い、年が明けたので3月末を目処に今の職場を退職し、新年度の4月から新たな職場に移るための転職活動を最近スタートされた方も多いのではないでしょうか。実際転職市場がピークを迎えるシーズンの1つがこの1月から3月であることも事実です。
転職活動が無事に成功し、希望していた企業からの内定を勝ち取ることが出来たら、次は今の会社に退職の意思表示をする必要がありますよね。
ところが、会社によっては退職を伝えたことによってその日から退職日までの給与を引き下げる、というようなところがあるようです。果たしてそんなことって法律上許されるのでしょうか?
Q.退職願を出したら減給されるなんで法律的にアリ?
A.違法です。単に退職を理由として賃金を引き下げることはできません。
給与額は「労働契約」という双方の合意によって決まっている(残業代などの変動的な給与は別ですが)ため、社員の同意もないまま、会社の一方的な理由で給与額を勝手に引き下げることは不可能です。
また、会社によっては就業規則で退職の申し出を退職日の2~3ヶ月前などとやたらと事前申し出を義務付けているところがありますが、これを守られなかったことを根拠として減給することも法的には許されません(法的には退職の申し出は2週間~1ヶ月前までに行えば足りるとされています)。
ただし、退職に伴う業務内容の変更などで定時に帰らされ、事実上給与額が減ってしまうことは考えられるかもしれません(これに関しては会社の人事権の範囲内なので、従前通りに残業をさせてもらうよう請求することは法的には難しいでしょう)。
そのような場合には、もし有給休暇が残っているのであれば必要な引き継ぎを早々に済ませて有給休暇を全て消化した上で退職することをお勧めします。
*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。
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