恋人との結婚を考えていて、親に相談や紹介をしたところ、猛反対されたという経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
結婚に反対する両親から「結婚したら絶縁するぞ」などと言われたら、それは避けたい事態でしょう。
ところで、両親の反対を押し切って結婚することは法的に問題ない行為なのでしょうか?
■未成年はNG
結論から言いますと、20歳以上の成年同士が結婚する場合には、たとえ両親が結婚に反対していても、法律上有効に結婚することができます。
ただし、結婚するのが20歳未満の未成年の場合には、父母の同意がなければ、結婚することができません(民法737条1項)。
その趣旨は、未だ思慮分別が十分ではない未成年者の配偶者選択に誤りがないように、未成年者の監護の地位にある父母に同意権を与えて、未成年者の保護を図ることにあります。
■親の一方の同意だけで良い
なお、親の一方の同意で足りるので(民法737条2項前段)、仮に、父親が結婚に同意しなくても、母親の同意さえあれば、有効に結婚をすることができるということになります。
具体的には、婚姻届に父母の(両方あるいはどちらかの)同意を附記して、役所に提出することになります。
そのため、婚姻届に父母の同意が附記されていなければ、役所には受理されません。
もっとも、父母の同意が附記されていない婚姻届を役所が誤って受理してしまった場合には、以後、誰であってもこれを取り消すことはできないので、結果的に、父母の同意がない結婚でも有効に成立してしまう、ということになります。
*この記事は2014年10月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)
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