大阪名物「串カツ」を食べた事がある方は多いと思います。もちろん大阪の名物でもありますし、今年の9月14日に東証マザーズに上場した『串カツ田中』も関東エリアでの火付け役に一役買ったのではないでしょうか。
そんな串カツと言えば、よく耳にするソースの「二度づけ禁止」。
このルールを破ったらどうなるの? と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は「ソース二度づけ禁止」を明示しているお店で、“二度づけした場合はどうなるのか”“もしお店側が退店を要求したら、応じなければならないのか”について、法的な解釈を基に解説してまいります。
■店とお客さん……そもそもどんな契約関係が?
飲食店とお客さんとの間には、お店がお客さんに対し、飲食物を提供し、飲食する場所を提供する「飲食物提供契約」が成立します。
お客さんとお店の間にどのような意思の合致があるか、すなわち、どのような「申込み」と「承諾」があるかどうかが重要になります。
具体的には、お客さんの「飲食物を提供して下さい」という「申込み」と、お店側の「提供します」という「承諾」があって、初めて契約が成立することになるのです。
■そもそも店側が決めたルールの拘束力は?
民法の大原則として「契約自由の原則」というものがあります。これは読んで字のごとく、「私人と私人の間の契約は、(公序良俗に反しない限り)自由である」という原則のことです。
つまりお店は、“いつ”“誰と”“どのような契約を締結するか”を決める自由があり、お客さんも、“いつ”“どのお店と”“どのような契約を締結するか”を決める自由があります。
そのため、お店側が「ソースの二度づけ禁止」というルールを明示し、お客さんが同意した以上、「ソースの二度づけ禁止」には、契約上の拘束力が生じます。
また、明示されていなかったとしても、串カツ屋における「ソースの二度づけ禁止」という慣習が認められる場合には、お客さんの黙示の同意が認められることになり、法的拘束力が生じるでしょう。
(関西では慣習があると認められそうですが、関東では未だそのような慣習があると認められにくいかもしれません)
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