秋の行楽シーズン、もしくは年末年始の休暇に向け、ホテルや交通機関の予約の際にネット予約を利用する人も多いでしょう。
同時にトラブルの件数も増加しています。国民生活センターでも今年9月1日に「インターネットで予約した旅行に関するトラブルにご注意」として注意喚起を促していますが、調査報告ではネット予約に関するトラブルは2015年度時点で、5年前の約2倍にまで増加しているそうです。
そこで、以下のような質問に関して、法的にはどういった解釈ができるのでしょうか?
Q.ネット予約で代金を振り込んでもチケットが届かない場合、法的に返金は可能?
A.可能(ただし、実際に返金されるかは、微妙なケースも)
契約とは、約束事です。この場合であれば、ホテルやそこにいくまでの交通機関の手配やチケットに対して、お金を払うという約束があるのが通常です。
よって、代金を支払ったのに、相手方から期日までにチケットなどの約束されたものが来ないとなれば、相手は当初の約束を破っています。これを民法上は、債務不履行といい、契約自体を解除することができるので、支払った代金を返せと請求することができます。
ただし、このような業者は、違法業者でお金を振り込んだら、連絡がつかなくなるケースが多々あります。ですので実際に返してもらえるのかは、不透明と言わざるえません。そうなると、返金してもらうには、裁判をするしかないのですが、相手が行方をくらましている場合には、回収できないこともあります。
*著者:弁護士 中野 秀俊(グローウィル国際法律事務所。弁護士になる前、システム開発・インターネット輸入事業を起業・経営。IT・経営・法律に熟知していることから、IT・インターネット企業の法律問題に特化した弁護士として活動している。ブログ「IT・インターネット法律ブログ」)
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