面接時に「ブラックバイト」か見抜く方法はあるのか?知っておきたい雇用契約の実態

本年9月に大々的に報道された、大手チェーン店のアルバイト学生が未払賃金と慰謝料800万円の支払いを求めた「ブラックバイト訴訟」。インターネット上の報道では、女性店長から受けた仕打ちについて写真や音声が公開され、多くの人が衝撃を受けました。

この訴訟では、問題が起きた就労先の店舗ではなく、当該店舗を運営する企業が被告として訴えられていました。単純に、店を訴えればいいのでは? とも思うのですが、なぜチェーン店経営企業を訴えることになったのでしょうか。また、このようなブラックなバイト先で働かないために、見極めるポイントはあるのでしょうか。

労働トラブルに詳しい、プラム綜合法律事務所 の梅澤康二弁護士にお尋ねしました。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

■運営会社と店の関係が訴訟先を決める

「店ではなく、運営会社が訴えられるのは、珍しいことではありません。回収の可能性も視野に入れる必要があるため、行為者(本件では店長)のみを相手取るより、運営会社を巻き込んだほうが被害者救済に資するため、運営会社にも請求をするのが通常です。」(梅澤弁護士)

なるほど、たしかに未払いの残業代、それに慰謝料を勝ち取るためには、運営会社に請求した方が確実そうです。

「どこに責任を問うかは、運営会社と店の関係にもよります。たとえば運営会社と飲食店が別法人の場合には、それぞれ別個独立の存在とされます。つまり、飲食店で起きた問題は飲食店のみの責任で、運営会社は責任を問われないのが原則です。

他方、運営会社と飲食店が同一法人(直営店)の場合には、飲食店で起きた問題は運営会社内部の問題として、飲食店内の行為者と運営会社の両方が責任を負います。」(梅澤弁護士)

 

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