【狛江市長の辞任】立場を利用したセクハラを受けてしまった場合の対処法

 

5月22日、東京都狛江市の市長が複数の女性職員にセクハラをしたとして辞職を表明。財務省次官に続き、またもその立場利用したセクハラに怒りの声が広がっています。

 

■当初は責任を逃れるような発言

市長は事態発覚後セクハラの事実を否定し続け、被害女性に対し「誤解だ」などと話し、「思い込みが激しい」などと糾弾。その態度が猛批判を浴びました。

結局、被害女性4名から実名で抗議文が提出され、そのなかに「手を握る」「尻を触る」など被害の内容が列挙されており、それを見た市長は「セクハラと思っていたのなら謝る」「認めざるを得ない」などと発言。辞任を表明することになります。

ただし個別の事案については「記憶にない」「セクハラのレベルにあったとは思わない」などと責任逃れとも思える発言に終始し、怒りの声が上がっています。

 

■一般企業でもセクハラはある

セクハラは一般企業でもかなり多いと聞きます。とくに派遣社員とクライアント企業など、その立場を利用し、性的な嫌がらせを行うことがあるようです。昨今ある政治家が「セクハラ罪はない」と発言し、物議を醸しましたが、本当にそうなのでしょうか?

また被害に遭ってしまった場合、立場が上の人間が狛江市長のように「言い逃れ」することも予想されます。立場を利用したセクハラ被害をどう訴えていけばいいのか。

三宅坂総合法律事務所の伊東亜矢子弁護士にお聞きしました。

 

■どう訴えれば良いのか?

伊東弁護士:「セクハラ罪は確かにないのですが、態様によっては強制わいせつ罪や名誉毀損・侮辱罪などに当たる可能性はあります。

派遣社員の場合、当該社員の雇用主である派遣元のみならず派遣先もセクハラの相談があれば対応する必要がありますので、派遣先・派遣元どちらに相談しても良いでしょう。

また、きちんと対応されない場合や社外に匿名で相談したいときなどは、労働局に相談することも一つの方法です。」

※参考:厚生省労働局HP

 

立場を利用したセクハラを我慢してしまう女性が多いようですが、そのような状態ではますますエスカレートする可能性が高く、問題解決にはなりません。

会社や派遣元への相談も、なかなか「しづらい」こともあるでしょう。その場合は各地域の労働局や弁護士への相談をおすすめします。我慢せず、被害を訴えましょう。

 

*取材協力弁護士:伊東亜矢子(三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

*画像はイメージです(pixta)

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