「お茶くみ」を女性仕事と決めつけ強要する職場…この扱いに違法性は?

ある零細企業に勤めるSさん(30代・女性)は、会社に強い憤りを感じています。その理由は、社長が「お茶くみ」と「給湯室の掃除」は『女性の仕事』と決めていて、それを強要されているため。

男性社員も特に疑問を持たず放置されているうえ、女性が少ないこともあり、現在お茶くみと掃除をSさんが一手に引き受けている状況なのだそう。社長に逆らえば職を失う可能性もあり我慢していますが、やはり納得がいかないものがあると話しています。

女性の社会進出が進む昨今でこのようなことがあるとは驚きですが、意外と多いとも聞きます。法的に見て、問題はないのでしょうか?

センチュリー法律事務所の小澤亜季子弁護士に見解を伺いました。

 

■お茶くみや掃除を女性仕事とするのは違法?

「男女雇用機会均等法(以下「均等法」といいます。)違反で、違法です。均等法は第6条で、以下のように定めています。

第6条 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取り扱いをしてはならない。一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む)・・・以下略・・・

そして、厚生労働省は、この配置に関する差別的取り扱いの例として、『男性労働者は通常の業務のみに従事させ、女性労働者についてのみ通常の業務に加えてお茶くみ・掃除等を行わせることは均等法に違反します。』と述べています。」(小澤弁護士)

※参考:厚生労働省 均等法Q&A

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/danjokintou/q-a.html

 

■均等法に違反するとどうなる?

「労働者は、均等法に関して、全国の労働局雇用均等室に相談することができます。均等法違反が生じた場合、厚生労働大臣は会社に対して、助言、指導、勧告を行うことができ、会社はこれらに従って必要な措置を講じなければいけません。

もし、会社が、厚生労働大臣の勧告に従わなかった場合、企業名を公表の対象とすることができます。」(小澤弁護士)

※参考:都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧

http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/index.html

 

■人口減少で旧態依然とした会社は衰退の可能性が

「以上の通り、お茶くみや掃除などを女性だけに行わせることは、均等法違反で違法です。

日本は急速に人口が減少しており、将来の労働力不足が心配されていますが、女性だけにお茶くみをさせるような旧態依然とした会社は、今後、求職者からそっぽを向かれ、労働力の確保が難しくなっていくのではないでしょうか。

実際に、就活生はホワイト企業を志向する傾向があるようですし、厚生労働省においても、学生をはじめとした求職者向けに『女性の活躍推進企業データベース』が開始されるなど、企業の女性の活躍状況が公表されています。

女性活躍推進に関する助成金などもありますので、うまく制度を活用しながら、働く人が性別により差別されることなく生き生き働ける職場にしていきたいですね!」(小澤弁護士)

※参考
・厚生労働省 スマートフォン版「女性の活躍推進企業データベース」の運用を開始します! ~育児休業や有休の取得率など、求職者が知りたい情報を簡単に検索~
厚生労働省 両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)のご案内

 

実際のところなかなか声を上げることは難しいかも知れませんが、男女雇用機会均等法に違反する可能性は極めて高く、労働局雇用均等室に相談すれば、会社に対して助言・指導・勧告などをしてくれる可能性があります。

どうしても我慢ならない場合は、労働局雇用均等室や気持ちを理解してくれる弁護士に相談し、声を上げていくのも、1つの手段です。

お茶くみ、掃除も大事な仕事ですが、『女性がやるべきもの』というわけではありません。性別問わず、すべての社員が行うべきもの。そのような意識を全員が持っていく必要があるのではないでしょうか。

 

*取材対応修弁護士:センチュリー法律事務所 小澤亜季子(依頼者の皆様の不安を少しでも取り除けるように、お気持ちに寄り添い傾聴すること、なるべく早く具体的な解決策を提案すること、そのための費用がいくらかかるのかを明確にすることを心がけております。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

*画像はイメージです(pixta)

小澤 亜季子 おざわあきこ 弁護士

センチュリー法律事務所

東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル25階

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