自分の財布にいつの間にか偽札が…気づかず使っても犯罪になる?

福岡の複数の神社で、お守り販売の際に偽造1万円札が使われていたというニュースがありました。通貨の偽造の法定刑は無期または3年以上の懲役、裁判員裁判の対象となる重い罪です。

もし偽造通貨を受け取ってしまったら、どうすればよいのでしょう? 法律事務所あすかの冨本和男弁護士にお聞きしました。

偽札を発見したらまず通報

偽札を発見したらまずどうすればよいでしょうか? 届け出る義務はありますか?

冨本弁護士「届出義務を定めた規定は見当たりません。しかし、被害を被ったわけですし、偽札が世の中に流出すると皆が困るわけですから、警察に届け出るべきでしょう。」

一般の人が偽札を発見するという事態は、何かを販売したりお釣りをもらったりしたなど、なんらかのタイミングで偽札を受け取ってしまった時でしょう。これは正当な通貨をもらえていないわけですから、偽札被害に遭っているという状態です。この被害を訴える先はまずは警察となります。

偽札による支払いは無効

Q.偽札被害に合った場合、どこかで本物のお札と交換してもらうなど救済措置はありますか? それとも泣き寝入りしかないのでしょうか?

冨本弁護士「本物のお札と交換などの規定も見当たりません。偽造通貨発見届け出者に対する協力謝金制度というのがあるようですが、警察の捜査に協力した場合の謝礼に過ぎず、交換してもらえるわけではありません。」

Q.もし犯人が捕まった場合、本来の代金を請求したり、迷惑料的な金銭を請求することはできますか?

冨本弁護士「できます。偽札による支払いは無効ですから、代金を請求することができます。また、被った損害について請求できます。」

受け取った偽札を使うのは犯罪

Q.偽札だと気づいていながらそれを使ってしまう行為は犯罪に当たりますか?

冨本弁護士「偽造通貨取得後知情行使罪(刑法152条)に当たります。ただし刑は使った額の3倍以下の罰金や科料でそれほど重くありません。偽札を掴まされて使った人も被害者であり、あまり強く非難できないからです。

内容的に詐欺罪(10年以下の懲役)でもありますが、詐欺はこの罪に吸収されます。」

偽札を受け取ってしまった場合、本来の代金を手に入れるには、偽札を使った本人から改めて支払いを受けるしかありません。また、その偽札を使ってしまえば犯罪となります。

このような被害を防ぐためには、受け取ってしまう前に偽札だと気づくことが重要です。ホログラムや透かしなどの特徴をよく覚えておいたがほうがよいでしょう。

 

*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:フリーライター 岡本まーこ(大学卒業後、様々なアルバイトを経てフリーライターに。裁判傍聴にハマり裁判所に通っていた経験がある。「法廷ライターまーこと裁判所へ行こう!」(エンターブレイン)、「法廷ライターまーこは見た!漫画裁判傍聴記」(かもがわ出版)。

*画像はイメージです(pixta)

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