婚活相手が既婚者や遊び目的だった… 損害賠償請求は可能?

昨今婚活アプリの普及で、男女が出会う機会が増えました。それ自体は歓迎されるべきことでしょうが、付随してトラブルも増加しています。

とくに多いのが、既婚者が独身と偽り紛れ込むケース。また、結婚相談所などでは、結婚する気がなく、遊び目的で利用する人もいるようです。

真剣に婚活している人にとっては、迷惑でしかありません。『既婚』であることや、『遊び目的』だったことが判明した場合、騙した人間や、アプリ・結婚相談所運営者に損害賠償などを要求できないのでしょうか?

エジソン法律事務所の大達一賢弁護士に見解を伺いました。

 

■既婚者や遊び目的の婚活に賠償を迫ることができる?

「近年、婚活市場の盛り上がりが激しさを増してきていることもあり、結婚相手紹介所や婚活サイトなどの紹介所等で知り合った相手とのトラブルもまた増えてきています。

その中でも特に多いのが、紹介所等を通じて知り合った人が、既婚者や遊び人など『結婚するつもりはないのに、紹介所等に登録していた」というものですが、これは何らかの犯罪となり得るのでしょうか。また、犯罪にはならないとしても、その相手や紹介所等に対して損害賠償の請求などはできるのでしょうか。」(大達弁護士)

 

■犯罪になる?

「まず、犯罪とは、そもそも刑法やその他の法令で刑罰を科することを明記して定められているものに限られますので(罪刑法定主義といいます)、法令で刑罰が科されることが明記されていない限りは、犯罪となりません。

そのため『結婚するつもりはないにもかかわらず、紹介所等の登録者と交際した』というにとどまらず、『それによってその相手から金銭や何らかの物をだまし取り、あるいは何らかの物を購入させた』というようないわゆる結婚詐欺に当たる場合には詐欺罪(刑法246条1項)に当たり得ますが、それ以外の場合で犯罪となるケースは少ないように思われます。」(大達弁護士)

 

■損害賠償請求は可能?

「一方、民事的な損害賠償については、可能な場合もあります。その紹介所等が婚活目的による利用に限定され、規約等によって婚活以外の目的による登録が禁止されているような場合には、規約の違反があることになります。

同規約は、利用者が相互に守らなければいけないことが前提になっているものと思われるため、その規約に違反した結果として他の利用者に損害が生じ、その利用者が退会をして損害が生じたというような場合には、紹介所等はその損害を生じさせた行為について規約違反をした利用者に債務不履行(民法415条)に基づく損害賠償請求をすることができるでしょう。

また、他の利用者自身の損害賠償請求としても、既婚者であるなどと嘘をついた行為に関し、不法行為(民法709条)上の違法性が推認でき、損害賠償請求をできる可能性が出てくるものと思われます」(大達弁護士)

 

■紹介所やアプリ運営会社の責任は?

「また、損害を受けた利用者の紹介所等に対する請求はどうでしょうか。

紹介所等は、利用者との間にサービス利用契約を締結しておりますが、契約上求められる義務として、利用者の性格や収入などの繊細な個人情報を多く扱う上、人生の大きな選択である結婚に関するサービスを提供していることを考えると、高度な注意義務を負っていると考えられます。

そのため、紹介所等に対しては、その注意義務の一環として、規約違反がないか否かに関する注意義務を怠ったといえる場合には、サービス利用契約上の義務違反があるとして、紹介所等に対する損害賠償請求も認められる余地があるでしょう。

いわゆる結婚相談所などの紹介所入会の際には、独身証明書の提出が求められることが通常です。そのことを考えると、少なくとも独身証明書の提出も求めていないような紹介所等に関しては、注意義務の違反があったものと言えそうです。

近ごろは伝統的な紹介所等のみならず、マッチングアプリなどでの婚活も流行っているとか。数多くの人がいながらも運命の人に出会えない!と焦る声が自分も含めそこかしこで聞こえますが、果報は寝て待てとも言いますよね。

筆者の現在のパートナーはもっぱら瓶ビールと焼き鳥くらいですが、焦ることなく、また現実を見つつ、いつか人間のパートナーを見つけたいものですね」(大達弁護士)

 

相手が既婚者だった場合や、遊び目的ということがはっきりしている場合は、損害賠償を請求できる余地はあるようです。結婚という人生をかけた活動ですから、遊ばれるのは嫌なもの。仮に自分がそのような目に遭ってしまった場合は、弁護士に相談してみるのも、いいかもしれません。

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