中学生による女性タレントの集団取り囲み騒動…痴漢行為が立証できたら罪に問える?

先日ある女性タレントが神宮球場で数百人の中学生球児に取り囲まれ、押し潰される事案が発生。ネット上で『異常すぎる』と話題になりました。

この問題では、殺到した中学生が『タレントの身体を触っていたのではないか』という疑念があがっています。その理由は、ネットに当日取り囲んだと思われる中学生と思われる人間がTwitterで『触った』などと発言したこと。

本人が否定しているため、責任追及などはないものと思われますが、中学生や球場管理者への批判は高まっているのが現状。仮にVTRなどで『触っている』ことが明らかになった場合、対象者や運営を処分することはできないのでしょうか?

 

痴漢行為があった場合罪に問える?

仮に中学生がタレントの身体を触るなどしていたことが認められた場合、東京都が定める迷惑防止条例に違反になる可能性があります。また、『暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした』と認められる場合は、強制わいせつ罪となります。

なお中学生が14歳未満の未成年だった場合は、刑法で罰することはできません。

 

管理者の責任は?

次に管理者の責任ですが、刑法上の『罪』に問うことは難しいものと思われますが、『責任』を問うことは可能です。

この女性タレントが押し倒されたことにより怪我などをした、球児が殺到したことによって将棋倒しとなり負傷した、などの場合は、不法行為責任に問われ、当該者から損害賠償請求を受ける可能性があります。

また、中学生や女性タレントと球場管理者の間に、何らかの契約関係があった場合、管理者は安全配慮義務違反に基づく債務不履行責任に問われる可能性も否定できません。

今回の事案は、被害者自身が痴漢行為を否定しているうえ、VTR検証なども行われない模様で、不問で終了するものと思われます。しかし、中学生球児の行動で重大事故に発展する可能性も否定しきれないだけに、『ああよかった』では、済まされない問題といわざるを得ません。

このようなことが起こらないよう、対策を講じてもらいたいものです。

*記事監修弁護士:センチュリー法律事務所 小澤亜季子(依頼者の皆様の不安を少しでも取り除けるように、お気持ちに寄り添い傾聴すること、なるべく早く具体的な解決策を提案すること、そのための費用がいくらかかるのかを明確にすることを心がけております。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

小澤 亜季子 おざわあきこ

センチュリー法律事務所

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