親が生まれた子供に対して行う最初の仕事、命名。ほとんどの親が、姓名判断などをしたうえで、縁起の良い画数などを調べ、名前をつけています。
大抵は何の疑問もなく育て、子は成長していくもの。ところが命名後、しばらく経過したあと、じつはその名前が「昔好きだった彼氏・彼女から取ったものだった」という愛憎ドラマのようなケースが、ごく僅かながらあると聞きます。
仮にそのようなことがあった場合、我が子を愛する気持ちは変わりがないでしょうが、配偶者については「最低」「気持ち悪い」と感じてしまい、場合によっては離婚を考えたくなるかもしれません。
このような場合、正当な離婚事由となるのでしょうか?
Q.子供の名前がじつは配偶者が昔好きだった人の名前だった。離婚を切り出すことはできる?
A.それだけでは難しいものと思われます
気分の悪さは理解できますが、離婚事由として認められるケースは「不貞行為や配偶者からの暴力その他“婚姻を継続し難い重大な事由」です。
「子供の名前が昔の彼氏・彼女だった」というだけでは、これに該当しない可能性が高く、離婚事由としては認められないものと思われます。
ただし、子供の名前がそれだったことによって、婚姻を継続し難いと判断し、別居や同居していても会話がないという場合は、離婚事由として認められるかもしれません。
このようなケースは稀だと思われますが、無用なトラブルを避ける意味でも、命名の際には夫婦でよく話し合うようにしましょう。
*記事監修弁護士:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)