「挨拶がない」で解雇通告…そんなのってアリ?

社会人にとって重要なものは数多くありますが、基本中の基本といえば挨拶です。「おはようございます」「おつかれさまでした」「お先に失礼します」などは、誰であっても発言すべき挨拶とされています。

一方で、「挨拶なんかしなくても仕事をしっかりやっていれば良い」という考え方もあります。中には、自分の信念で「一切挨拶はしない」という人もいるようです。

ところが、日本社会は挨拶をしない人間には厳しい風潮があり、「挨拶できないからクビ」ということもあると聞きます。このような措置は、許されるのでしょうか?

法律事務所あすかの冨本和男弁護士にお伺いしました。

 

Q.挨拶をしない社員を解雇することはできる?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

A.出来ないものと思われます。

「結論から言うと“なし”です。解雇が認められるためには、まず就業規則の解雇事由に該当しなければいけません。

仮に“挨拶をしない”ことが就業規則の解雇事由に該当したとしても、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でないと認められない場合、解雇権の濫用として無効となります(労働契約法第16条)。

“挨拶をしない”だけでいきなり解雇するのは、明らかに厳しすぎる解雇権の濫用であると思われます」(冨本弁護士)

 

「挨拶」は仕事において大事なものですが、それだけを咎めて解雇とするのは、解雇権の濫用となる可能性が極めて高いようです。解雇を考えるのではなく、指導で改善することを考えたほうがよさそうですね。

 

*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中

【画像】イメージです

*HBS / PIXTA(ピクスタ)

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