会社までの交通費は、企業が負担することが一般的です。ただし「交通費を支給しなければならない」という法律は存在していないため、自己負担となっている人もいるかもしれません。
支給されている場合、事前に自宅の場所から最寄り駅、そして会社までの経路を労働者が申請し、会社側がルールと照らし合わせ、問題がないかチェックした上で、金額が決められることが多いようです。
■再チェックが入ることも
昨今は経費削減のため、会社が提出された申請経路を再チェックし、申請より短い経路があれば、そちらの金額に切り替えるということもあるようです。
仮に再チェックした結果、大幅に短い経路が発覚した。しかも、それが「故意」である可能性が高い。このような場合、会社や労働者はどのような対応をとればいいのでしょうか。
また、なんらかの間違いで労働者側の支給額が実際の経路をよりも少ない場合も気になります。ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士にお伺いしました。
■交通経路を故意に長くしていたらどうなる?
「間違って交通費が実際と異なっていた場合は、当然、清算すべきでしょう。もらいすぎた場合は不当利得でしょうし、逆の場合は労働者の権利となると思います。
流用目的で故意の交通経路を申請していた場合は、詐欺ないしは業務上横領となり得ます。懲戒の対象はもちろん犯罪を構成することになるでしょう」(森川弁護士)
仮に流用目的で経路を「故意」に長くしていた場合は、横領になることもあり、懲戒や犯罪になりうるのですね。
*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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*xiangtao / PIXTA(ピクスタ)
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