遊園地の遊具が破損…けがをしたら責任は誰が負う?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

お盆が終わりに近づき、夏のレジャーも一段落といったところでしょうか。今年も楽しく安全に夏のレジャーを満喫された方が大半だとは思いますが、今年の夏はレジャー施設のアトラクションに関する事故のニュースが多かったように感じます。

そこで、今回は、もしアトラクションの利用者等が事故に遭ったときは誰がどのような責任を負うかについて解説します。

また、「事故により負傷・死亡した場合でも施設運営者は一切の責任を負いません」等の(免責を伴う)同意書にサインした場合は責任追及が不可能となってしまうのかという問題についても併せて述べたいと思います。

 

■事故が発生したら過失のある人に責任追及を行うことができる

アトラクションの事故原因には整備不良や点検不足、耐用年数を超えた部品の使用等様々なものがありますが、何らかの人為的ミスの場合には、そのミスをした人に過失(事故の結果を回避する義務違反)があると考えられます。

また、整備や点検作業には問題がないが、使われている部品に不備があった場合にはメーカーに過失が認められることもあります。

今年の夏、バンジージャンプの命綱が切れて男性が負傷するという事故がありましたのでこれを例にすると、この事故の場合、報道によれば約3ヶ月前に専門業者がワイヤを点検した際には異常がなく、また、施設職員も開園前後に命綱の強度を確かめており、確実な原因は不明とのことです。

各点検作業がマニュアル等に沿った確実なものであったかや、ワイヤや金具の耐用年数等に問題はなかったかなどがポイントとなり、各点検作業に問題がなかった場合には部品製造業者の過失を考えることになるでしょう。

なお、このような事故の場合、過失の有無で判断するという点は、民事責任も刑事責任も違いはありません。

また、過失の特定は非常に困難な場合も少なくないのですが、ほとんどの場合レジャー施設は施設管理者賠償責任保険などの保険に入っていますので、一定の調査が終わり次第、訴訟提起をしなくとも保険金によって治療費等の損害が賠償されることがあります。

ただし、利用者が係員の指導に従わずに危険な遊び方をしていたり、身長・年齢制限等に反して利用していたりした場合には、利用者にも過失があるとして過失相殺がされることがあります。

 

■免責同意書にサインしていても損害賠償を求めることは可能

アトラクションの中でもバンジージャンプ等のとくに危険なものについては、「事故により負傷・死亡した場合でも施設運営者は一切の責任を負いません」旨の条項が入った(免責を伴う)同意書に署名を求められることがあります。

しかし、利用者が死傷した場合に事業者側の責任をすべて免責する条項は消費者契約法や公序良俗に反するものですので、施設運営者は過失がある限り損害賠償義務を負います。

ただし、過失相殺があり得ることは上記のとおりですし、たとえば「施設運営者の判断によって利用を中止した場合には料金を返金しません」などの同意書記載の他の条項については有効ですので、免責部分が無効であるからといって同意書の全体が無効になるわけではないことには注意してください。

危険なアトラクションであってもレジャーである以上は安全が保障されなければなりませんので、危険なものであればあるほど施設運営者側は高度の注意を払って安全に務める必要があるといえるでしょう。

他方、そのようなことはないとは思いますが、利用者の皆様はスリルを求めるあまり危険な利用方法をすることなく、係員の方の指示に従ってくださいね。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野・長塚・木川法律事務所(旧星野法律事務所)。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)

【画像】イメージです

*じゃぁきぃ / PIXTA(ピクスタ)

【関連記事】

建設現場で工具を落とし歩行者が負傷…この場合の責任は誰に?

飛び石でフロントガラス交換…飛ばした相手を罪に問える?

遊園地で写真撮影して販売するシステムはプライバシー侵害?

子どもが勝手にネットで買い物! キャンセルできるの?

公園で子どもがケガをしたとき、責任の所在はどこにある?

木川 雅博 きかわまさひろ 弁護士

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1-21-8 弁護士ビル303

コメント

コメント