コールセンターで管理者を務めるMさんは、著しく能力の低い契約社員に悩んでいます。
電話応対でのミスが多いうえ、お客様に「嘘」を伝えてしまうことも多々あり、モニタリングするなどして監視し、注意点をフィードバックしているのですが、改善の余地が見られないそうです。
仕事に対する態度も悪く、Mさんとしてはこの社員に退職してもらいたいと思い上司に相談しそう。しかし、上司から「契約社員だから切れない」と拒否されてしまったそうです。
切られやすいイメージのある契約社員ですが、たとえ能力が低かったとしても解雇することができないのでしょうか? ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解を伺いました。
■契約社員でも簡単に解雇することはできないのか?
「期間の定めのある雇用契約、いわゆる契約社員であっても、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となります(労働契約法16条)。
そして、期間途中の解雇は「やむを得ない事由」がなければできません(労働契約法17条)。この「やむを得ない事由」とは解雇しなければならない特別の重大な事由、ということでかなり厳格であり、かつ立証責任は使用者側にあります」(森川弁護士)
契約社員といえども、解雇に関する規定はほぼ正社員と相違ないということを、覚えておきましょう。
*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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*buri327 / PIXTA(ピクスタ)
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