東京・新宿や上野などの歓楽街では、道を歩く人に「お遊びいかがですか」「3,000円ポッキリでキャバクラいかがですか」などと声をかける「キャッチ」が存在しています。
言葉巧みに誘うキャッチに「それなら良いな」とついていくと、飲食した後に「ビール1杯10万円」など法外な金額を請求される、いわゆる「ぼったくり被害」の報告が、あとをたちません。
地元民なら、ある程度危険地帯がどこであるかは理解しているのですが、旅行中の人々などが餌食になってしまい、楽しい旅行が台無しになることもしばしば。
法外な値段を要求された場合、ほとんどの人は脅されるなどして金額を支払ってしまっているようです。
しかし、本来なら断ることもできるはず。店側が当初の「甘い言葉」と違う「法外な値段」を要求してきた場合、断ることはできないのでしょうか?
ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解を伺いました。
Q.ぼったくり店からの「法外な請求」支払いを拒否することはできる?
A.できます。諦めずに戦いましょう。
「表示の仕方にもよると思いますが、たとえば3,000円で飲み放題の場合、適用範囲が、どの範囲なのか(時間・種類等)、その上で、それがわかる形で表示されていたか、が問題になると思います。
契約行為として、認識して飲食したか、ということになると思います。
そのような表示がないまま、法外な金額を請求されることは、恐喝や強要、もしくはいわゆる“ぼったくり条例”違反です(東京都など)。適切に料金表示をしなかったり、不当な勧誘・取り立てをした場合には、6月以下の懲役または50万円以下の罰金さらに営業停止命令があり得ます。あきらめずに闘いましょう!」(森川弁護士)
ありえないほど高額な値段を「そうなる」と認識させずに店側が請求した場合は、恐喝・強要やぼったくり条例違反に該当する犯罪行為となるようです。
怖い思いをするかもしれませんが、安易に支払わず毅然とした態度をとり、戦うようにしましょう。
*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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*つきのさばく / PIXTA(ピクスタ)
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