頼んでないのに出てきた「お通し」の料金、払わなくてはダメ?

居酒屋に行くと、まずはビールで乾杯、そして「お通し」をツマミに飲み食いをする方も多いのではないでしょうか。

何気なく食べているお通しでも大体300~500円かかるのが一般的で、中には1,000円を超えるものもあるそうです。しかし、頼んでないのに出てきたお通し料金を払う必要はあるのでしょうか?中には料金が発生することも知らないまま食べているという方もいるでしょう。

そこで今回は、注文をしないのに出てきた「お通し」について、代金が発生する根拠はどこにあるのか、お客は「お通し」の提供を断ることはできるのかなどを説明したいと思います。

居酒屋

●契約の成立には申込みと承諾が必要

民法上、契約が成立するためには、申込みと承諾が必要となります。

この点、居酒屋などの飲食店では、お客がお酒や食べ物の注文(申込み)をして、店側がそれを承諾することによって、お店がお客に飲食物を提供する、という内容の契約が成立することになります。

 

●申込みがない「お通し」はどうか?

それでは、お客による申込みがない「お通し」についても、お店との間に契約が成立するのでしょうか。

まず、入店時の説明や看板等で、「お通し」の注文が義務付けられている場合には、入店と同時にお通しについて注文があったことになるので、「お通し」についての具体的な注文はなくても、契約が成立することになります。

そのため、お客としては、注文していないのだから料金を支払わない、ということはできません。

 

●「お通し」について店側の事前の説明がない場合はどうか?

「お通し」について店側による事前の説明がない場合には、お通しについての客側の申込みというものが存在しませんので、契約が成立しません。

そのため、お客としては、「お通し」が出てきた際は、事前に説明を受けておらず、注文もしていないという理由で、「お通し」の提供を拒否することができます。

 

●すでに「お通し」を食べてしまった場合はどうか?

「お通し」をすでに食べてしまった場合には、お客としては、店側による「お通し」の提供を承諾したことになり、契約は成立していますので、代金を返せということはできません。

そのため、もし「お通し」の代金を支払いたくないという場合には、事前に「お通し」の提供を拒否することが必要です。

 

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

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理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

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