まだ少し気の早い話ですが、7月前後に夏のボーナスが支給される会社も多いのではないでしょうか?
その場合、賞与の算定期間は通常1月から6月までとなるため、このボーナスを貰ってから転職しようと考えている方もいらっしゃると思います。
ところが、会社によってはボーナス支給日の直前に退職してしまうと、算定対象期間に在籍した分の賞与が1円も貰えないというところがあります。このような取り扱いは違法ではないのでしょうか……?
Q.支給日直前に退職したらボーナスが不支給……違法では?
A.多くの会社ではボーナス支給日に「在籍」している必要があるため、違法ではない可能性が高いでしょう。
まず前提として、ボーナス(賞与)は法律によって支給が義務付けられているものではないため、基本的にはその支給条件は会社がある程度自由に定めることができます。
ボーナスの定めに関して、多くの会社が採用しているのが「在籍日要件」と呼ばれるものです。これは、賃金規程など就業規則の一部に、「賞与は支給日に在籍している者を支給の対象とする」などという定めのことを指します。
どういうことかというと、このような定めがある会社で仮に賞与の算定期間が1月から6月まで、賞与の支払日が7月5日となっている場合、7月4日に退職してしまっては賞与は1円も貰うことができないということです。
この場合、賞与の算定期間中は在籍しているため、一見すると賞与を受け取る権利があるように見えますが、賃金規程で在籍日要件が定められていれば、賞与の支給日である7月5日時点で在籍していない限り、賞与を受け取る権利は一切認められないということです。
*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。
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