カルビーや湖池屋は、台風10号によるジャガイモの収穫不足の影響でポテトチップスの販売を休止・終了することにしました。
インターネット上では販売休止・終了を嘆く声が相次ぎ、休売日の前日までに大量購入をしていた人も珍しくなかったようです。
自分で食べるために大量購入することは何ら問題ないですが、今回は、もし転売目的でポテチを大量購入し、高額で転売した場合には違法となってしまうのかという疑問にお答えしたいと思います。
■古物営業法違反やダフ屋行為にはならないか
中古品の転売を反復継続的に行う場合は古物商許可が必要になります。
もっとも、そもそも新品の商品の場合は「古物」に当たりませんから、上記設例のように転売目的であっても、(1)新品の商品(ポテチ)について、(2)仕入れたポテチの賞味期限が切れる前までの間一回的に行うのであれば、古物商許可は不要です。
また、各都道府県の条例ではダフ屋行為を禁止していますが、ダフ屋行為として転売が禁止されているものは乗車券やコンサートチケットなどに限定されていますので、ポテチの転売はダフ屋行為にはなりません。
■食品衛生法や食品衛生関連条例違反にもならない
食品衛生法は全ての食品を対象とした規制を行っていますが、未開封の新品のポテチを転売する場合には食品衛生法上の許可取得及び報告は不要です。
また、各都道府県により、販売(転売)のみでも食品衛生関連条例上の許可・届出が必要になる場合がありますが、少なくとも東京都の場合には、未開封の新品のポテチを転売するだけであれば許可・届出は不要です。
■転売目的購入それ自体の違法性
転売目的でお店から大量購入することそれ自体も、お店側が「おひとり様○点まで」と上限を設け、それに反して購入しない限り、購入や店舗への立入りが違法となることはありません。
以上のように、転売目的でポテチを大量購入して高額で転売しても、通常は違法となることはありません。
もちろん、大量購入者の影響で買えなくなってしまう人が出かねないため、マナー違反ではないかという声もあるでしょうが、震災時等のトイレットペーパーやおむつ、飲料水等の生活必需品を買い占めるケースとは異なりますから、許容範囲だといえるでしょうね。
*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)
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