これからの時期は、入学や就職、異動などで引越しが増える時期で、引越しの準備をしている方も多いと思います。まもなく始まる新生活に漠然と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
杞憂に終わればいいですが、引越しの際はトラブルが起こりやすいです。引越しの業者や不動産会社、オーナーなど、トラブルにならないに越したことはありません。
そこで今回は、トラブルを起こさないために気を付けておきたい6つのポイントをご紹介したいと思います。細かいことかもしれませんが、後々大きなトラブルとなってしまう前に心がけておきたいですね。
■入居後の室内確認
内覧や引越し時に部屋の現状を確認している方は多いと思いますが、引越しが完了した後も、生活していて、入居前からの部屋の傷・損傷等を発見したら、すぐに管理会社や大家に知らせ、自分でも日付入りの写真をとっておくようにしましょう。
退去時の原状回復をめぐるトラブル防止に役立ちます。
■室内の使用方法
賃貸であれば、特に壁紙へのピン止めには気を付けましょう。
ピン止め専用の場所でない限り、ピン止めした痕が残り、退去時にクロスの張替費用を請求される可能性があります。
カレンダーや生活用品をかけるのに必要な範囲であれば、通常の使用に伴う通常損耗として、原状回復は貸主負担となるのが原則ですが、入居時の特約で借主負担となっているケースがあります。どうしても必要な場合以外は、ピン止めは慎重にした方が無難です。
■壁紙クロスの汚れ
意外とやりがちなのが、炊飯器や冷蔵庫、オーブンレンジ、ホームベーカリーの後ろの壁紙の着色です。距離が近すぎると着色の可能性が高くなります。
壁紙との間に一枚紙を挟むなどするか、十分な距離を空けるようにしましょう。
着色汚れがあっても、基本的には通常の生活使用に伴う損耗ですので、貸主負担ですが、こちらも特約で借主に張替費用が請求される場合がありますので、汚さないように注意するに越したことはありません。
■前住人の郵便物開封
転居届を出していない前の住人宛の郵便物が届いた経験はありませんか?
なんとなく気持ち悪いですが、理由なく開封すると、プライバシー侵害となるおそれがありますので注意しましょう。
■共有部分の使用方法
マンションであれば、共有部分の使用方法が細かく決まっています。また、デザイナーズマンションでは、ベランダの使用方法にも制限があります。
ゴミ出しのルールも含めて、マンションの管理規則違反を繰り返していると、内容によっては、賃貸借契約の債務不履行として賃貸借契約解除をされることもありますので、使用ルールは遵守しましょう。
■同居人の追加
学生さんであれば、1人暮らし用のマンションに彼氏や彼女を連れ込むこともあると思います。
たまに泊まらせる程度であれば、問題ありませんが、同棲・同居まで達していると注意が必要です。
契約時に、同居禁止・1人暮らし専用となっていることがあり、無断で同居人を追加すると契約違反となるおそれがあります。
*この記事は2015年4月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)
【画像】イメージです
*Mills / PIXTA(ピクスタ)
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