子どもの親権は「離婚成立後」でも取り戻せるってホント!?

■子どもを虐待していた場合は例外

しかし、ここでひとつ注意してください。もしも母親が子どもに暴力で(もしくは暴力的に)「ママと言え!」などと恫喝していた場合は、親権はすんなり母の側に移りません。逆の場合も同様です。

 

「暴力を用いていたような場合は虐待に当たりますので、離婚後に発覚した場合でも“親権者変更の調停”を申し立てるなどして変更を求めて行くことが考えられます」(伊東弁護士)

 

もしも離婚前にお子さんと二人きりで話せる時間があれば、無理矢理言わされていないか、暴力を振るわれていないかなどを確認しておくべきでしょう。

 

■離婚後に虐待が発覚した場合はどうすればいい?

家庭裁判所には家庭問題で子どもの幸せを第一に考え、親の言い分の裏付けを取る「家裁調査官」もいます。家庭裁判所では相談にも親身に乗ってくれますので、大いに頼るべきです。

万一、離婚成立後でも子どもからそんな裏話を打ち明けられたら、話をスマホで録音して、それを証拠に親権者変更を家庭裁判所に申し立てましょう。

その際、証言があっても子ども自身の意思を尊重することが大事です。お子さんが今いる家庭から離れたいかという意思をまず確認することを忘れないでください。

また、親権を相手に譲ったとしても、その親にあまり子どもへの愛情が観られず、ろくに食事を与えない、養育費を遊行費用に使ってしまう、放置して遊びに行っている、新しい恋人と虐待している様子があるなど、不安要素があれば、これも見逃せません。

まして、子どもを置いて行方不明になった場合は、直ちに子どもの安全を確保したうえで、親権者変更を届け出ましょう。

 

「離婚後でも“親権者変更調停”を申し立てることができます。手続きは煩雑ですが、万全を期すなら弁護士を雇うとスムーズに進行できるはずです」(伊東弁護士)

 

必要に応じて揃える書類や資料は多いのですが、できる限り証拠を集めること。時にはお子さんにも協力を仰ぎましょう。可愛いお子さんを取り戻すために、機会があればそれを逃してはなりません。

 

*記事監修弁護士:伊東亜矢子三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)

*取材・文:梅田勝司(千葉県出身。10年以上に渡った業界新聞、男性誌の編集を経て独立。以後、フリーのライター・編集者として活躍中。コンテンツ全般、IT系、社会情勢など、興味の赴く対象ならなんでも本の作成、ライティングを行う。)

【画像】イメージです

*マハロ / PIXTA(ピクスタ)

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