先日、タレントの松本伊代さんが自身のブログで早見優さんとともに電車の線路内に立ち入り手を広げている画像をアップし、猛批判を浴びる騒ぎがありました。
のちに謝罪し該当記事は削除していますが、現在も「けしからん」という声がたえず、逮捕の可能性も囁かれています。
非常に危険な「線路内立ち入り」はどのような罪になる可能性があるのでしょうか。
■鉄道営業法に抵触
まず該当するのが鉄道営業法違反。第37条に「停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス」とありますので、線路内に立ち入ることはこれに抵触します。
最近は撮り鉄と呼ばれる電車ファンの一部が線路内に入って写真撮影をすることがありますが、この法律に違反する行為です。
松本伊代さんの場合は、妨害目的ではなく写真を撮る目的で入ったようです。さらに世間からも厳しい批判を受け謝罪しており、社会的制裁は受けています。
したがって、逮捕までされる可能性は極めて低く、立件されたとしても罰金刑になるのではないかとみられています。
■往来危険罪になる可能性は?
次に該当する可能性があるのが、刑法125条の往来危険罪。「鉄道若しくはその標識を損壊し,又はその他の方法により,汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者」は2年以下の懲役となります。
松本伊代さんの行為は往来危険罪に該当しているようにも思えますが、現場が電車の往来が少ない場所だったこと、立ち入ったことで混乱が起きていないことなどから、往来危険罪には該当しないとの見方が有力です。
■芸能人であるがゆえに厳しい処罰を受ける可能性も
上記のように松本伊代さんの一連の行動は法律違反ではあるものの、悪意がなかったうえ列車の運行に支障をきたしていないことから逮捕・立件には至らないと思われます。
しかし、影響力の大きい芸能人であるため、“見せしめ”的に刑事罰を受ける可能性はゼロではありません。真似をする人間がでないように、鉄道会社が厳しい処分を捜査当局に求めれば、逮捕されることもあるかもしれません。
いずれにしても、今回の松本伊代さんの行動は非常に軽率であると言わざるをえません。どんなに往来が少ない線路であろうとも、みだりに立ち入って歩いてはいけません。みなさんも気をつけましょうね。
*記事監修弁護士:星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
【画像】イメージです
*taka / PIXTA(ピクスタ)
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