Amazonの「ドローン配達」がイギリスで初成功…日本で実施するための法律の壁とは?

今年の12月15日、Amazonがイギリスでドローンを使った配達を実施し、無事に成功させたそうです。日本でも昨年からドローンを使った医薬品の僻地への配送プランをはじめとした実験が繰り返されており、先日も、佐川急便が北九州で1.4キロ離れた場所への「ドローン宅配」を成功させています。

安倍首相も2018年にはドローンを使った荷物配送を実現させると宣言しているようですが、はたして日本でもドローン配送が可能となるのか、現状の問題点等について解説したいと思います。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

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■現在のドローン法規制

現在、ドローンに関しては、航空法と電波法による法規制がなされています。

航空法による規制により、

 

1)人口集中地区の上空の飛行

2)地上から150m以上の場所の飛行

3)空港や重要施設の周辺の飛行

4)人や物件から30m未満の場所の飛行

5)日没後飛行

6)操縦者からの目視外飛行

 

等の場合は許可が必要となり、無許可飛行の場合には50万円以下の罰金が科されます。

逆に言えば、上記の規制外の飛行や、上記規制範囲内であっても事前許可の上での飛行は自由に行うことができるということです。

なお、2016年12月21日の航空法施行規則の改正により、新たに三沢飛行場と木更津飛行場の周辺空域が飛行禁止区域となりましたので、最新の法改正には十分注意して下さい。

また、電波法による規制により、技術基準適合証明・技術基準適合認定のいずれかの認証を受けていることを示すマーク(「技適マーク」)のないドローンを屋外で飛ばすと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

通常、国内で販売されているドローン(並行輸入品を除く)であれば技適マークが付いていますが、ドローン購入の際には今一度確認をするとよいでしょう。

 

■ドローン配送の問題点

インターネット上でも言われているように、都市部では上記の航空法規制に引っかかるため、ドローン配送が可能になるのは山間部や僻地などの一部の地域に限られるのではないかという問題があります。事業者としても、都市部でわざわざ許可を取るコストを負担するとは考えられません。

他方、航空法規制を緩和して都市部のドローン飛行可能区域を広げれば、落下物やドローン本体が人や物件に当たる可能性は高まります。かりに規制緩和がされたとしても、事業者が損害賠償請求を受けるリスクが高まりますから、やはり無理してドローン配送を実現することは考えづらいですね。

政府としても、人口集中地区での実用化というよりは、人が行うよりもドローン配送や撮影のほうが安全な場合や過疎地での医薬品等の輸送を念頭に置いているようです。

ドローンの活用可能性はまだまだ広がっているので、今後の法改正や事業者の参入状況が気になるといえましょう。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)

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*chesky / PIXTA(ピクスタ)

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木川 雅博 きかわまさひろ

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