12月11日の深夜にお笑いコンビ「NON STYLE」の井上裕介さんが当て逃げ事故を起こしたことは、皆さんの記憶にも新しいかと思います。被害にあったタクシーの運転手が車のナンバーを覚えており、警察署が井上さんを特定したということです。
今回の事故では、タクシーの運転手がぶつかった車のナンバーを覚えていて特定につながりましたが、他にはどういった場合に当て逃げした車は特定されるのでしょうか、解説していきたいと思います。
■そもそも当て逃げは犯罪
当て逃げにも、人に当てる場合と、物に当てる場合がありますね。いずれも事故ですので、逃げた場合には報告義務違反の罪に当たります。
人に当てた場合には、故意であれば殺人罪、傷害罪になりますし、過失であれば、自動車運転過失致死傷罪になります。他方、物に当てた場合には、故意であれば器物損壊罪になります。
■当て逃げはバレるのか?
事故現場には、意外と目撃者がいるものです。逃げても目撃者からの通報により警察が動く場合がよくあります。
また、駐車場などでの当て逃げの場合は、防犯カメラがついている場合がありますので、そこから割れてしまうことがありますね。
さらに、逃げたとしても、自分の車を修理にだし、当て逃げを疑った修理工が警察に通報することもあります。
「当て逃げは逃げるに限る!」なんていう風潮がありますが、意外と足が付くことが多く、また、仮に足がつかなかったとしても罪悪感に苛まれ、気持ち悪い思いが続きます。
きちんと報告すれば、保険会社が入って示談で済むことがほとんどですので、もし当ててしまった場合には、速やかに警察に事故の報告をするのがよろしいかと思います。
*この記事は2015年9月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)
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*Dmitry Kalinovsky / Shutterstock
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