生理休暇を使って仕事を休んだら給与が減らされてる…これって違法じゃないの?

筆者も含め男性には分からないものですが、生理痛が働けなくなるくらいに重くなってしまう女性の方は決して少なくありません。そんな女性特有の症状に対して「生理休暇」という休暇制度を設けることが実は労働基準法で会社に義務付けられています。

でも、この生理休暇を利用して会社を休んでみたら、何故かその日分の給与が欠勤扱いのように差し引かれていたとしたら…果たして違法になるのでしょうか?

Q.生理休暇を使ったのに給与が支払われないのは違法じゃないの?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

A.会社の自由とされているため違法ではない!

生理休暇を有給扱いにするのか無給扱いにするのかは会社の自由とされています。

生理休暇とは、女性特有の事情に配慮して設けることが法律上義務付けられてはいるのですが、実は生理休暇を「有給」にしろとまでは義務付けられていないのです。そのため、生理休暇を取得した結果、その分の給与が差し引かれていたとしても違法と言うことはできないのですね。

ただ、通常の会社であれば病欠時に有休を消化するケースが多いと思いますから、有休が残っているのであれば有休扱いにしてもらった方がお金の面で損することはないと言えるでしょう。ただ、会社側としては女性従業員が生理のために働けないと主張するときは、その方を働かせてはいけない(労基法違反)のでこの点は注意が必要です。

 

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。)

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*kou / PIXTA(ピクスタ)

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