■幸せな結婚生活を送るための「婚前契約」?
ドラマの最終回に向けて、これからのみくりさんと平匡さんの関係がどうなっていくのでしょうか? 二人は結婚するのか、それとも…?
仮に二人が結婚するとして、幸せな結婚生活を送るための「婚前契約」はあるのでしょうか?
一つの手段として、夫婦財産契約をすることが考えられます。夫婦財産契約というのは、結婚中に得た財産が誰のもので、誰が管理し、どのように処分するか、結婚中の債務は誰が負担するか、離婚する場合の財産の清算をどうするかといったことを決めるものです。
ただ、夫婦財産契約の内容は、婚姻の届出をする前に契約をして登記所に届け出ないといけなかったり、婚姻中は原則変えられなかったりするという非常に使いにくい制度となっています(1年に2件程度)。
■夫婦財産契約が締結されなかった場合はどうなるの?
みくりさん達が婚姻の届け出をする前に今お話した夫婦財産契約を締結しなかったときには、自動的に法定財産制度(民法760条以下)が適用されます。
それでは、みくりさんと平匡さんの夫婦仲が悪くなり別居した後、平匡さんが生活費を支払ってくれなくなった場合、どうなるでしょうか。
別居していても結婚し続けているのですから、みくりさんは平匡さんに対して婚姻費用の分担を請求することができます(民法760条)。
婚姻費用の額、支払方法は、まず夫婦の話合いで決めます。婚姻費用の分担について平匡さんと協議ができないとき、又は協議が整わないときは、平匡さんの住所を管轄する家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てることができます。
調停における合意が難しいときは、さらに審判に移行することになります。
■弁護士から一言
仮にみくりさんたちとの「契約結婚」が、事実婚だった場合、婚姻費用分担義務のような法律婚の効果が準用されます。
事実婚で別居後、パートナーが生活費を支払ってくれなくなりお困りの方や、法律婚をされている方で別居後、夫が生活費を支払ってくれなくなってお困りの方は、弁護士鈴木謙太郎にご相談ください。
*著者:弁護士 鈴木謙太郎(1972年の設立以来40年以上の歴史がある、虎ノ門法律経済事務所の池袋支店で支店長を務める。注力分野は遺産相続、不動産取引、交通事故、債権回収、労働問題、債務整理、刑事事件、離婚等。「皆様の人生の一大事を共に解決するパートナーとして、真摯に業務に取り組んでまいります。」)
【画像】イメージです
*wavebreakmedia / PIXTA(ピクスタ)
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