日本でも多発!? もしもお酒の失敗で「昏睡強盗」に遭ったとき絶対にすべき5つのこと

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

「昏睡強盗」という犯罪をご存知でしょうか? 2014年に世間の注目を集めた、「声優のアイコ」と名乗る人物が起こした連続昏睡強盗事件で、この犯罪を知った人も多いと思います。この事件は初公判から2年以上裁判が続いており、先日10月31日にも東京地裁で公判が行われました。

「声優のアイコ」事件は被告の多重人格性が問われたりと、かなり特殊な事件でしたが、一般的には次のような手口が多いようです。ほろ酔いで繁華街を歩いていたら女性の客引きに呼ばれ、ついていった所までは覚えているが、そこから記憶が無い…。気が付くと記憶どころか、財布や身につけていたもの全てが無くっている、場合によっては口座からお金が引き出されているということもあります。

その多くが、お店で提供された飲み物に睡眠薬やその他の薬物などが盛られ、昏睡状態、または意識が朦朧とした状態にさせられた上で行われます。

このような行為はもちろん犯罪ですので、犯人逮捕のために動かなくてはいけません。しかし、記憶が無いのでどうすれば良いのか分からないという状態でもあります。

そこで今回は、犯人逮捕の為にできることや、被害を最小限にとどめる為にはどうすれば良いのかを解説します。

 

①被害拡大の防止のためにカードの停止

現金や金品は盗まれると戻って来ない可能性が高いですが、クレジットカード、キャッシュカード、預金通帳については、引き落としや暗証番号があるため、実際に使われるまでにタイムラグがあります。

したがって、カード、預金口座を管理するクレジット会社、銀行に電話して、盗難に遭ったので凍結するよう依頼して下さい。

クレジット会社や銀行の盗難・凍結依頼のコールセンターは、ほとんどが年中無休24時間受け付け可能となっていますので、すぐに連絡し、被害拡大を防ぐようにしましょう。

 

②できるだけ早く警察へ届出を

警察への相談は、事件後早ければ早いほど望ましいです。自分で現場に戻って証拠を探したり、犯人を追いかけたりすることを試みるよりも、ます警察に被害届を提出して下さい。

警察署が近くにあれば警察署、なければ交番でも構いません。犯行から間もない段階であれば、事件内容によっては警察が検問を設け、早期に犯人を準現行犯逮捕できることもあります。

何より、事件後記憶が鮮明なうちに警察で調書を取ってもらうことで、犯人逮捕や裁判にも役立ちます。

人の記憶は、自分が思っている以上に失われるのが早く、時間が経つと様々な事後的体験により記憶が塗り替えられてしまい、不正確となる可能性があります。

 

③証拠整理のために自身の経緯をメモ書き

警察への届出が終わり、家に帰ってから、自分でできる限りの証拠整理をしましょう。

といっても、事件現場にいって漁ると捜査の支障となるので、現場にいくことは警察からの依頼がない限り原則として控えましょう。

その際大事なことは、記憶がなくならないうちに、自分で経過を整理しておくことです。

手書きのメモで構いませんので、犯人と知り合った経緯や、当日の行動、訪れた場所、犯人の人相などを時系列に沿ってノートに書き留めておきましょう。

 

④参考人聴取への協力

警察が正式に事件として受理し、捜査することを決めたら、しばらくして、警察、検察官から参考人(被害者)聴取の要請がなされます。

多くの場合、事件から数か月経過していますので、ここで細かいことを聞かれたときに、事件直後に作成した経過メモが役立ちます。

 

⑤刑事裁判までの準備

検察庁の被害者対応担当部署に予め相談・依頼しておくと、処分結果や傍聴のための裁判の日程を教えてくれる場合もあります。

被害に遭わないようにすることを第一にしつつ、もしものときの参考にして下さい。

 

 

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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星野宏明
星野 宏明 ほしのひろあき 弁護士

星野・長塚・木川法律事務所

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