もしも「痴漢冤罪」のような冤罪事件に巻き込まれたら…知っておきたい弁護士への依頼方法

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

「この人痴漢です!」

もし、あなたがある日突然痴漢に間違われるなどして冤罪事件に巻き込まれた場合、弁護士に助けを求める必要があります。しかし、依頼方法や制度はあまり知られていません。一体どうやって弁護士に助けを求めればよいのでしょうか?

今回は、刑事事件に巻き込まれたときに弁護士に依頼する方法を確認したいと思います。

 

■「私選弁護人」と「国選弁護人」の違いは何か

在宅捜査で、身柄を警察に拘束されていない場合、起訴前の被疑者段階では自分で弁護士事務所に行って私選弁護の依頼をすることになります。

起訴後に弁護人を依頼する場合は、全事件が国選弁護の対象となっていますので、知り合いの弁護士に依頼することができない人は、裁判所に国選弁護人を付けてもらえるよう求めることができます。

 

■弁護士会に依頼する「当番弁護士」とは?

「当番弁護士」とは、国選ではなく、あくまで弁護士会が行う私選弁護人の紹介制度です。したがって、扱いとしては、警察署の接見室で行う私選弁護の法律相談というようなイメージです。相談料はかかりません。

逮捕されて勾留前の段階では、当番弁護士の対象であり、留置されている警察署の担当者に、当番弁護士を呼びたい旨を伝えれば、その日待機している弁護士が原則としてその日のうちに接見にいくことになっています。

当番弁護士と接見し、資力(概ね50万円以上の資産)があれば、国選ではなく、基本的には当番弁護士と私選弁護の委任契約を結び、弁護人に就任してもらうことになります。

 

■当番弁護士に依頼できない場合は「被疑者援助制度」を利用

他方、資金力がなく、当番弁護士に私選弁護を依頼できない場合には、日弁連が提供する「刑事被疑者援助制度」という私選弁護の弁護士費用補助制度を利用できます。補助制度といっても、私選弁護の弁護士費用全額が日弁連から支出されるので、弁護士費用の自己負担なく私選弁護を依頼できます。

ただし、起訴されると私選弁護が打ち切られ、被告人国選弁護の対象として、国選弁護に切り替わります(弁護士は同じ人が担当を続けます)。

 

■3年を超える懲役刑がありえる場合は「被疑者国選弁護」の対象に

勾留後の段階では、窃盗など3年を超える懲役刑がありえる犯罪の場合、「被疑者国選弁護」の対象となります。

裁判所に国選弁護人の選任を求めれば、その日のうちに国選弁護人がつきます。

3年以下の懲役しかない犯罪(痴漢や盗撮)の場合、被疑者国選は使えず、当番弁護士を呼び、私選弁護契約をして自費で弁護士費用を払うか、日弁連の被疑者援助制度に申し込むことで、弁護士に依頼できます。

 

■弁護士への依頼方法のまとめ

弁護士を呼ぶ制度は、国選弁護の対象が限られている上、勾留前と勾留後、起訴前と起訴後で選別があり、その他の部分のみ日弁連が当番弁護や被疑者援助制度をつくって刑事弁護の隙間がなるべく生じないように補填しているため、大変分かり難くなっています。

しかし、基本的には警察や裁判所の担当者に「弁護士を呼びたい」とだけ伝えれば、後は警察、裁判所、弁護士会がそのとき使える適切な刑事弁護制度を選択し、その日のうちには弁護士が接見に来ますので、詳しく制度の違いを認識する必要はありません。

刑事事件に巻き込まれたら、まずは警察や裁判所の担当者に対し弁護士に依頼したい旨を伝えるようにしてください。

 

*この記事は2014年6月に掲載されたものを再編集しています。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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星野宏明
星野 宏明 ほしのひろあき

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1‐21‐8 弁護士ビル303

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