急増中のお墓トラブル…お墓の引っ越しで損をしないための法的知識を弁護士が解説

いまは子世代が実家から離れて暮らすことが普通ですから、お墓が不便な場所にある等の理由により、先祖代々のお墓を自宅の近くに移そうとする方も多くなっています。

お墓を移転させる場合は、お墓からお骨を移すだけでなく、墓地を更地にして返したり、檀家をやめること(離檀)を伴うこともあり、お寺との間で、「お墓の引越し」に関して法要費用や離檀料を巡ってのトラブル、費用面での相談が増えてきているように感じます。

今回は、「お墓の引越し」にまつわるよくある相談事例を解説したいと思います。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

■お骨を取り出す際の法要費用は払う必要があるか

お骨を取り出す際には、供養(閉眼供養)のために法要を行います。法要費用の性質はお布施なので、通常の法要と同様の金額を包むことが多いです。

問題は、供養の費用の支払義務があるかというと、契約で定まっているわけではないでしょうから、厳密には支払義務がない場合が多いと思います。

ただ、そのようなことを言い出したら、「法要のお布施も契約がなく支払義務はない!」となりそうですが、通常そうではないですよね(法的には、住職は慣習法や口頭合意に基づいてお布施を請求できるでしょう。)。

供養の費用の支払義務がない場合が多いというのは、いままでお墓の引越し事例が少なく、まだ慣習として成り立っていないということに論拠をおきますので、今のところは支払義務があるとまではいえないというところです。もちろん、トラブルを避けるためには金額を明確にしてもらい納得した上で支払ったほうがいいでしょう。

 

木川 雅博 きかわまさひろ

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1-21-8 弁護士ビル303

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