有名女子アナウンサーを多数輩出している「ミスコン」を運営していることでも有名な慶應大学のサークル「広告学研究会」の男子学生が、女子学生に集団で暴行した疑いがあるというニュースをご覧になった方は多いのではないでしょうか。
結果的に今年のミスコンは中止されることになってしまいました。
また、報道によると今回の事件ではその場にいた学生の一人が動画で暴行の現場を撮影し、テレビ電話で生配信していた疑いもかけられています。
暴行の現場がネットなどに配信されたかもしれないとなると、最近施行されたいわゆる「リベンジポルノ防止法」にも抵触する可能性があるでしょう。そこで今回は、この事件におけるネットなどでの配信行為に関する違法性について水田法律事務所の河野晃弁護士にお話を伺いました。
*取材協力弁護士:河野晃 (水田法律事務所。兵庫県姫路市にて活動をしており、弁護士生活6年目を迎える。敷居の低い気軽に相談できる弁護士を目指している。)
■そもそも、リベンジポルノ防止法とは?
まず、このリベンジポルノ防止法とは具体的にどのような法律なのでしょうか。
「いわゆる『リベンジポルノ防止法』とは、正確には『私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律』といい、私人の性的な画像や動画などが世間に流通することを防止し、個人の名誉や私生活の平穏の侵害による被害の発生、拡大を防止することを目的にしています。
平成25年に起きた三鷹ストーカー殺人事件など、リベンジポルノが取りざたされた事件を受けて制定されたものです。
ただ、内容を見ると、わいせつ物等頒布罪、名誉棄損罪、児童ポルノ法違反等、現行法で対応できる事例がほとんどではないかと思います。
もっとも、リベンジポルノが社会問題になったことを受けてできた法律という意味で、施行された意義自体はあると思います。要するに、こういった法律ができたということが報道され、それを知って犯行を思いとどまったという人が一人でもいれば、被害を受ける方が減ったということにもなるので、リベンジポルノ防止法の施行にも一定の意味があると言えるのではないでしょうか。」(河野弁護士)
なるほど、新しく違法な事案が増える、というよりはタイムリーな社会問題を反映して成立した法律なのですね。
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