派遣社員は要チェック!業務委託契約の内容で勘違いしがちな4つのポイント

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

先日、経済産業省が働き方改革の一環として、企業と雇用契約を結ばないフリーランスや副業などの働き方を促進するための、新たな研究会を立ち上げたと報道されました。

また、派遣社員やアルバイトなどの求人誌には、まれに雇用契約ではなく業務委託契約を結ぶ案件もあり、最近は人件費の削減を理由に雇用契約から業務委託契約へシフトする業界も増えています。

こうした流れの中で、業務委託契約の求人を普通の雇用契約と勘違いしてトラブルに発展してしまうケースや、業務委託側の社員が業務委託契約について十分に理解しておらず、雇用契約と同等の業務指示を出してしまうといったトラブルが、今後増えると予想されます。

そこで、業務委託契約について、企業法務に詳しい三宅坂総合法律事務所の伊東亜矢子弁護士にお話を伺ってみました。

取材協力弁護士:伊東亜矢子(三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)

 

■実態は雇用契約と変わらないのに…契約偽装に要注意

業務委託契約については、多くの人が勘違いをしている点が多くあります。業務を委託する側・される側双方で、違法になりやすい仕事の発注の仕方、請け負い方などはあるのでしょうか。

「労働関係法令の適用がある『雇用契約』に当たるかどうかは、契約書の名称によって決まるものではなく、実態によって判断されます。

そのため、『業務委託契約』を締結した相手方に、労働関係法令による保護を与えていない場合であっても、以下のような点を総合的に勘案し、実態として『雇用契約』に当たると判断された場合には、労働関係法令の違反となることがあるため、注意が必要です。

(1)仕事の依頼について諾否の自由はあるか:
「なし」の場合→『雇用契約』と見なされる方向の事情

(2)業務の遂行方法や時間・場所について拘束し、指揮監督下においているか:
「拘束し、指揮監督下においている」場合→『雇用契約』と見なされる方向の事情

(3)報酬の計算方法の労務対価性:
「成果物に対する対価ではなく、時間給など労務対価性あり」の場合→『雇用契約』と見なされる方向の事情

(4)設備や機械器具の所有者はどちらか:
「発注者側」の場合→『雇用契約』と見なされる方向の事情

このようなポイントを契約の際に、業務を委託する側・される側双方で十分に確認しておくことが重要で、契約後も継続して業務の指示や遂行に問題がないかチェックしていくことが大切です。」(伊東弁護士)

デザイナー、ライターといったクリエイティブ系や、エンジニア、インストラクターといったフリーランスで活動する人が多い業界に業務委託契約が多いのですが、求人誌にそうした業種が掲載されている場合は応募の条件をよく確認してみましょう。

また、そうした職種以外でも、法律の知識が乏しい学生や主婦をターゲットに、アルバイトの求人に見せかけた業務委託契約が増えつつありますので、見せかけの条件の良さに引っ張られることなく、自分にとって本当にメリットのある契約なのか熟考した上で応募することが大切です。

業務委託契約は、業務遂行の自由度が高く、勤務場所や勤務時間を拘束されないといったメリットもあります。ただし、この契約を交わすということは、個人事業主として活動することとほぼ同義であり、確定申告も必要になってきます。

また、副業を認める企業も近年増えてきていますが、業務委託契約で副業を行うことになれば、帳簿もつける必要がありますので、そうした会計処理に時間を費やさなければいけないことも認識しておきましょう。

 

*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)

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*わたなべ りょう / PIXTA(ピクスタ)

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