日本初の「ブラックバイト訴訟」で問題視されているポイントを弁護士が解説

21歳のアルバイト学生が、勤務していた大手しゃぶしゃぶチェーンの当時の女性店長から、首を締める、包丁を突きつけられるなどの暴力や、「死ね」などの暴言を受けたうえに、4カ月のあいだ無休で働かされていたと主張。未払残業代や慰謝料等800万円の支払いを求めて訴えを提起しました。この訴訟の第1回口頭弁論は、本年9月に千葉地裁で行われています。

少し意外ですが、いわゆる「ブラックバイト」関連の訴訟は全国初とみられると、新聞では報じられていました。

しかし、この訴訟は「単に労働の問題ではない」と、プラム綜合法律事務所の梅澤康二弁護士は指摘します。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

■女性店長の行為は明らかな犯罪!

「報道記事を読む限り、本件は極めて特異なケース。特に、女性店長がアルバイトから20万円の損害賠償金を受領することや、包丁で刺すなどする行為は、それが事実であれば明らかに犯罪行為(恐喝、詐欺、傷害行為)です。企業による組織的行為とは思われません。さすがに企業がそのような犯罪行為を認識していればストップするはずです。

もちろん、アルバイトの雇用管理がずさんなケースは少なくないと思いますが、それでも本件は店長の個人的な異常行為というべき部分が大きいと思います。したがって、本件を“ブラックバイト”というレッテルで一括りにして、アルバイトの雇用全般が過酷な仕打ちを受けていると結論付けるのは、ちょっと無理があるかなと思います。」(梅澤弁護士)

となると本件は「ブラックバイト」訴訟ではなく、「ブラック店長」訴訟と呼んだほうが事件の本質に近いかもしれません。

「むろん、問題となった店舗が運営会社の直営で、店長の行為が運営会社の職務として行われていたのであれば、当然企業には使用者責任や安全配慮義務違反責任が発生しますので、その点で企業は責められるべきです」(梅澤弁護士)

なお、今回のケースではFCを全国展開する企業と、FC加盟店の運営会社は別となり、訴えられたのは運営会社の方となります。

 

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