夫婦関係の破たんの原因となる不倫。一方の不倫がばれて、それまで円満だった夫婦関係が破たんする、妻の浮気を知った夫が豹変して妻に暴力、いわゆるDVを繰り返すようになり、果ては慰謝料をよこせと迫るようになる…こういう事案は案外少なくありません。
こういうとき、不倫をしてしまった側は、何をされても耐えるしかないのでしょうか? 妻の不倫を知った夫が逆上して暴力を働くようになったケースを例に考えていきたいと思います。
■不倫をされた夫の権利・暴力を振るわれた妻の権利
夫婦には相互に法律上「貞操義務」が課されていると考えられています。不倫はこの貞操義務に反するものであり、したがって、夫は妻に貞操義務違反により被った精神的な苦痛について、妻に慰謝料を請求する権利があるのです。
一方、不倫をされたからといって、夫が妻に対してどんなことをしてもいいというわけではありません。まして暴力を振るうことが許されるわけではありません。
暴力を振るわれた妻は、夫に対して、暴力を振るわれたことにより被った精神的な苦痛について慰謝料を請求することができます。暴力によりけがをして治療を受けた場合には、その治療費も財産的な損害として請求することができます。
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