■日本でも起こりうる問題
理論的には、日本でも、特許権者の特許権を侵害すれば、損害賠償義務が生じますから、同じような問題が起こる可能性はあります。
ただし、パテント・トロールをするためには、ほとんど活用されていない特許権を、大量にかつ安価に買い集めることが必要であり、日本で同じようなことをするのは事実上難しいかもしれません。
また、アメリカと違って、日本では民事の陪審制度が採用されておらず、損害賠償として認定される賠償額も、全般的に低めとなる傾向が強いです。それなりのコストをかけて特許権を買い集めた後に訴訟をし、賠償金を得て利益を得るパテント・トロール行為がビジネスとして成立しうるかは、疑問も残ります。
*この記事は2015年8月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中 国法務、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件等が専門。)
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*barman / PIXTA(ピクスタ)
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