「イッキ飲み」を強要した人はどのような罪に問われるのか?

イッキ飲みをさせること自体の違法性やそれで相手が急性アルコール中毒になるなどした場合その後後遺症や死亡した場合など「コール」を行った人はどのような罪に問われるのでしょうか?

最近では「アルハラ」(アルコールハラスメント)と呼ばれて問題とされていますね。

イッキ飲みによって起こる急性アルコール中毒は、最悪死に至ケースのある危険な行為です。これは、民事、刑事ともに違法な行為であることに間違いありません。

酔っぱらい酒  Ushico / PIXTA(ピクスタ)

●イッキ飲みの強要は犯罪になることも

まずは、嫌がるイッキ飲みを脅迫や暴行によって強要するのは、強要罪に当たります。暴行や脅迫に当たらなくても、酔い潰した場合には、意図的ならば傷害罪、意図的でなくても過失致死傷罪にあたります。

酔い潰した相手が死亡に至れば、過失致死罪、酔いつぶれた相手を放置した場合は、保護責任者遺棄罪、死に至れば保護責任者遺棄致死罪になります。

一緒にいて周囲ではやし立てた人も、傷害現場助勢罪、あるいは、傷害罪の共犯になりえます。

 

●死亡すれば1億円の損害賠償請求も

これが民事になりますと、当然損害賠償請求の対象となり、死亡させたと言うことになれば、相手が学生であっても1億円近い損害賠償責任が発生します。

お祭りにかこつけてお酒を飲むのは結構ですが、アルハラにあたるような飲ませ方をしないよう、また、お酒が得意でないものの、上下関係から飲めないと言い出せない人たちに十分配慮する必要がありますね。

遊び感覚で飲ませたら、結果刑務所行きになり、億単位での損害賠償債務を負っていた、、、というのでは洒落になりません。

 

*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)

*写真素材ぱくたそ

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小野 智彦 おのともひこ

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